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サガン鳥栖原理主義者から愛好家へ転身した30男のblog
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ども

だいぶ前の話になってしまいましたが1/7に柳沢の横浜FC移籍が発表されました。残念ですが、ベテランとして1年間とは言えサガン鳥栖でプレーしてくれ、また冷静さを失いがちな鳥栖の選手達に落ち着きをもたらしてくれた柳沢選手の新天地での活躍をお祈りいたします。


さて本題。
以前はシーズン中だったためぼかして書きましたがこれで昨季の弱点の一つと私が考えていたDFラインとMFの中二人の組み合わせの悪さは、鳥栖からそれらの選手の大半が居なくなると言う事でなくなりますので、何が問題だったか思う所を書いてみたいと思います。


まずサガン鳥栖の昨季の基本スタメンは以下のようになります。
(ホベルトは加入が終盤だった為&後に説明する為、意図的に省きます)

....マイク..山瀬....
島田............武岡
....高地....高橋....
磯崎............柳沢
.....飯尾..渡邉.....
.........室.........

まずはセンターバックの選手の特徴・欠点から指摘したいと思います。
まず飯尾は以前も書きましたが、プロレベルでは元々守備的なMFだと言うことです。センターバックとしては高さがなく、ヘディングに特別に強いわけでは有りません。ただし、カバーリング能力や状況把握能力は中々のレベルにあり、足元も決して弱くはありません。このためサガン鳥栖の選手層では飯尾はセンターバックの第一候補であり、その飯尾と誰を組み合わせるのかが問題になります。

昨年大卒で加入した渡邉はたくさんミスはしましたが、ヘディングは強く体を張った対人戦が出来る選手です。よって一見飯尾との組み合わせは良いように感じますし、'09サガン鳥栖では結局はこの選択肢以外になかったかもしれません。しかし、渡邉には幾つかの欠点があります。まず対人戦といっても左右に振られた場合に対応できません。前後に動くのは反応が早いですが、左右に動く場合、あまり反応は良い様には見えませんでした。またカバーリング等についてはお世辞にもうまいとは言い難い選手でした。この結果かどうかhわかりませんが、飯尾と渡邉がポジションチェンジする場面はあまりありませんでした。
そしてその結果、鳥栖の左サイドから攻撃を仕掛けられる時に飯尾の前を使われるとディフェンスにギャップが生まれやすくなってしまっていました。
どういうことかと言うと、鳥栖左サイドから攻撃を受け、中盤が相手選手を捕まえきれず飯尾が前に出て対処しようとした時に、渡邉のカバーリングが遅れるor無いために、飯尾が前に出たスペースが開き、センターバック間にスペースと前後関係のギャップが出来てしまいます。ここを使われての危険な場面は多々ありました。(特に序盤戦)
この欠点に対する対策は飯尾は出来る限り前に出ずに中盤で相手選手を捕まえる事、渡邉も飯尾との縦のギャップを作らないようにする事の二点だったかと思います。

このことによって第2の欠点が見えてきます。それは高地と高橋の高さの無さが露呈してしまう事です。09年鳥栖の生命線は高地と高橋の運動量でした。
守備にも攻撃にも運動量を活かして攻守のバランスを取っている状況だったと言えます。しかし、この二人は高さがありませんのでセンターバックもボランチも対応できる位置であっても、高いボールには渡邉か飯尾が対応する必要があります。
しかし、上述のように飯尾も渡邉もギャップを作らないようにする為に守備時はペナルティエリア前付近に引いており、中盤の底での制空権は相手チームに奪われます。
このため、高橋も高地も引き気味に対応するしかなく、そうするとプレスのラインも下がり、相手はセンターラインよりも鳥栖側のピッチで自由にボールを扱う事が出来る状態が出来ました。

07年中盤〜08年まで、「高い位置でのプレス」と「前線へ早く送る」サッカーが可能だったのは藤田が成長し、鳥栖の大黒柱として前線で多くの役割を果たした事が大きな要因です。藤田がいたからこそ、センターサークル付近での相手へのプレッシャーが効き、中盤も最終ラインも高く保つ事が出来ました。しかし、戦術的なキーマンであった藤田が居なくなった09年もその戦い方を踏襲したため、鳥栖は非常に苦労しました。08年終盤、鳥栖は既に研究され藤田の出来如何によっては完全に相手に中盤を下げられてしまっていました。

同じように09年も序盤戦はもちろんマイクと山瀬が加入した中盤以降も当初は状況は好転しましたが、夏場以降、特に前半は相手に主導権を取られる試合が目立ちました。これは鳥栖の弱点であるセンターバックと中盤の底の組み合わせの悪さを付けば高橋と高地と言う攻守のキーマンを鳥栖自陣後方に封じ込める事が出来る事が知れ渡った結果だと思います。

更にはセンターバックと中盤の底の組み合わせの悪さは左サイドを突破されセンタリングをあげられてしまった時に最大のピンチを招きました。
右サイドバックの柳沢はサイドバックとしてはJ2では一流の選手ですが、いかんせん身長が無くハイボールには弱い欠点がありました。左サイドを突破された時に、相手選手が中にどうつめるかにもよりますが、飯尾がニアに、渡邉がセンターにつき防ぐ形になります。よって一番遠いサイドの相手選手は柳沢がケアする事になります。つまりここが狙い目になります。
もちろん一番遠いサイドに上げるのは技術もいりますし、ある程度のスピードをもったボールを蹴れる選手が必要になりますが、誰もが知る明確な守備の穴でした。
これを防ぐには、渡邉がファーをケアする事、センターはボランチが捕まえる事で対応出来た筈ですが、残念ながらボランチ二人も柳沢ほどではないですが高さが無くセンターには相手チームもある程度高さを持つ選手が入る為、ケアしきれない状況になりました。いわば儀式化していた柳沢と山卓の後半の選手交代は柳沢のサイドバックとしての攻守にわたる貢献を捨てても試合終盤に明確な守備の穴をふさぐと言う意味合いもあったかと思います。

では、ホベルトと言うある程度の高さを持つ本物のボランチの加入で中盤の高さ不足は解消されたでしょうか?答えは「No」です。
確かにシーズン終盤での加入と言う状態でしたが、役割的には最終ラインへのカバーもでき、中盤でも(以前の組み合わせよりは)競り勝てる選手でしたが、チームがそのポジションの選手に与えた役割は変わらず、飯尾と渡邉の最終ラインは下がったままでした。つまり最初はホベルトと高地、高橋の怪我後は高橋とホベルトを入れ替えただけ、ただそのポジションに置いただけでした。
もちろん実際には細かい指示があったと信じたいですが、ホベルトは要所要所ではさすがと思わせるプレーを見せてくれましたが、彼の能力をチームに最大限活かす事は出来ませんでした。


以上は守備に関して述べましたが、攻撃に関しては「何処からでも批判できる」状態です。
なぜなら鳥栖には「ボールを奪うまでは約束事があるが攻撃の約束事が見えない」という最大の欠点があったからです。

09年序盤戦、チーム状態が悪いときはとにかく島田にボールを預ける傾向がありました。そして島田に預ければそれでその選手の動きが終わってしまっていました。
島田は能力がある選手ですが万能ではありません。一人で状況を打開できる選手ではないのです。
マイク加入後、今度はボールを奪ったらまずマイクめがけて蹴る傾向が出てきました。特に最終ラインからのロングボールにその傾向は顕著でした。マイクは高さがあったことと近くでマイクを知る山瀬がプレーした事で、それでもフィーリング頼みの攻撃が出来るようになりましたが、ボランチとセンタバックで挟んでマイクにスペースを与えないようにすると、マイクはそこまでポストが上手い選手ではないのでボールコントロールが甘くなり、その攻撃も機能しにくくなりました。その結果後半からのトジン投入と言う攻撃の切り札も出来ましたが、しかし今度はトジンのプレーに周りが合わせきれない、前半戦と同じようなミスも目立ちました、後半戦はトジン自身のプレーの切れが大幅に向上した事と周囲がトジンのプレーに対する理解を多少なりとも深めた事から、トジン自身も活躍できるようにはなりましたが、トジンもある程度スペースが無いとポストとしては活躍できない事から、サポート役がいるか、相手の運動量がある先発では起用が難しい状態は続きました。
同じようにホベルト加入後、彼がキープ出来る事で彼に頼る選手も目立ちました。ボールを奪った後の選択肢が複数あるのはいいのですが、明確な意思が無く、ホベルトが満足な体勢を取れていない状態でもただ近くのホベルトに預ける場面も目立ちました。体勢が悪ければホベルトでもボールを捌く事は出来ません。

結局、守備では全員に守備を求める前監督は、攻撃に関して何か形を残す事はありませんでした。
結果として、前に居る選手に急いで繋ぐ場面が目立ち、状態がいい時は選手が"頑張って"走るおかげで選択肢が増えて形になりますが、選手が走れない場合、若しくは走れてもその走りが単純に前に走っているだけの時は何も形を作れないサッカーでした。
守備では全員で守備して"頑張り"、攻撃では選手の感性で"頑張る"。そういう意味では昨年の鳥栖は良くも悪くも前監督のチームだったといえるでしょう。

ここまで昨年までのチームの批判を書きましたが、ではどうすればもっとマシな戦い方が出来たでしょうか?
個人的には藤田が居なかったわけですから早々に08年までのサッカーに見切りをつけて、今居る選手で出来るサッカー、もっと選手個人の特性に合わせて選手個々の役割を果たさせるサッカーをして欲しかったと思います。
中盤の底の高さ不足については選手構成の問題もありますので中々解決できなかったと思いますが、山田や飯尾の起用も面白かったと思います。
センターバックと中盤の底のうちの一人の組み合わせを飯尾、渡邉、山田、内間で考えて、トータルとしての守備能力を上げるように考えればもっと違った形が出来たのではないでしょうか?
FWに関しては開幕直後であれば池田やトジンをもう少し守備の負担を軽減させてあげることで何か出来る事があったのではないでしょうか?
全てはifの話になりますし、昨年のサッカーは昨年のチームでの一つの解だったとは思いますので、実際にチームで起こった事が全てですが、序盤に大きく躓きながらもあの位置まで追い上げた選手の事を考えると、もっと柔軟に考えて08年までのサッカーと決別できていれば出来る事が会ったのではないかと思うのです。
個人的な意見ですが、島田は三原以来鳥栖には居なかった正確なプレースキックとプレー中も正確なボールコントロールを見せてくれました。
トジンは後半からの投入でも得点力が有る所を見せてくれ、それ以上にあの足元に納めるトラップと(サッカーの)頭のいいプレーは役割と周りのサポートがあればもっとやれたのでは?と思います。
ヨシキは怪我までフル出場で本当にサガン鳥栖の心臓として毎試合走り回り、チームに動きを付けてくれました。
他にもたくさんのただ上手いだけではなくプロのプレーが出来る選手が多く居た昨年のチームだったからこそ、指導者が過去の小さな成功に拘らず新しい可能性を開幕前から見出してくれればもっと上に行けたはずという思いは強くあります。


今年、チームは幸か不幸か大きく変わりました。
大局を見れる松本監督と尹コーチ、そして主力は抜けましたが、それに変わる能力のある選手達。
もちろんセンターバックの層の薄さと過去の実績はあるが計算は出来ないFW陣という難点はありますが、それでも希望の持てるチームになったと思います。
他チームもいい補強をしており、シーズンが始まってみないとどうなるかは判りませんが、ボールが意思を持って動くサッカーが見れるのではないかと期待しております。
願わくばいい成績を収めて欲しいですが、まずはチームとして"夢一岩"となって新しい鳥栖のサッカーで戦って欲しいと思います。
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無題
禿しく同意
特に終わりの2,3試合しか使ってもらえなかった『ボランチ山卓』はもったいなかったなあ。。。
本田栗雄 2010/01/26(Tue)12:02 編集
無題
まあ選手の起用が固定化してましたからね。。。
あのホベルトでさえ最初は途中出場でしたから
たられば考えると本当にもったいないシーズンでした。
ハル 2010/02/02(Tue)20:38 編集
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