サガン鳥栖原理主義者から愛好家へ転身した30男のblog
あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
私事ですが、先日24歳と120ヶ月になりました。
高校生時分は捻くれてて(今も?)40ぐらいまで生きれば良いや!って思ってましたが、今は60ぐらいまでは生きたいと思っております。
なので今年も将来の為に体力を温存し、だらだらと生活していきたいと思います。
年が明けて2010年となりましたが、昨年末より移籍が相次ぎ、昨年のスタメンの大半が鳥栖から去りました。
余談ですが旧サガン鳥栖時代を考えると、1月終わりぐらいまで選手構成がどうなるかなんて全くわからなかったので、今の「早く発表してくれないと」的な気持ちは結構贅沢なものですね。まあ当たり前のサッカーチームになったって事ですがw
今年は所謂移籍金は無くなり契約が残っている場合の違約金のみになった初年度で、鳥栖はお金が無いので複数年契約を結んでおらず、大卒1年目選手や24歳以上の選手からは移籍金どころか育成費も取れないと言う事体が発生しました。
そして実際に大卒加入1年目でステップアップとはいえない移籍もありましたし、ステップアップではありましたが、移籍金や育成費を受け取れない移籍もありました。
これらの事情から、サガン鳥栖は今年複数年契約を結んだ(結ぶ予定)の選手も居るそうです。
こういった移籍金無しの時代に、サガン鳥栖はどのような選手を育成していくべきなのでしょうか?
今後も経営規模から選手をこちらの意思に関わらず売る可能性が高いチームとして、どのような選手ならば他チームから違約金を払ってでも買って貰えるのでしょうか?
過去他チームから必要とされ移籍していった選手は以下の選手になると思います。(前監督からの引き抜かれた昨年の一連の移籍は除きます)
・DF大森 鳥栖→名古屋 '98
・GK高嵜 鳥栖→市原(現千葉) '01
・FW上村 鳥栖→川崎F '99
・FW石橋 鳥栖→北陸(現富山) '03(レンタル→'04完全移籍)
・DF有村 鳥栖→大分 '02
・FW森田 鳥栖→新潟 '03
・FW新居 鳥栖→市原(現千葉) '07
・GKシュナイダー 鳥栖→仙台 '07
・DF加藤 鳥栖→鳥取 '08
・GK中林 鳥栖→広島 '08(レンタル中:完全移籍の噂)
・GK太田 鳥栖→鳥取 '08(レンタル→'09完全移籍)
・FW藤田 鳥栖→大宮 '09
・MF高橋 鳥栖→仙台 '10
(戦力外での移籍は除いたつもりですがもしかすると戦力外での移籍選手も含まれるかもしれません)
まずFWの移籍が多いこと。これはJ2であれ、得点と言う判りやすい形で成績に見えますし、どのチームも得点源を必要としているという周知の事実が見えてきます。また新居は違いますが、上村、森田、藤田と大型のFWが移籍していっていることがわかります。同じような活躍であっても体がでかいと言う事は十分に武器になると言うことです。
最後に石橋直希は鳥栖ではあまり活躍できなかったですが、アローズ北陸にレンタルされた後完全移籍となりました。アローズでは試合に出て活躍していた事を考えると本人にとっても相手チームにとってもいい移籍だったかと思います。
ちょっと話は変わって、調べてたらこんなページを見つけました。'05年の記事で少し古いですが、石谷吾一君が二代目としてがんばってるみたいです。
鹿児島在住の鳥栖サポの皆様、家を建てる際は是非株式会社イシタケをご検討下さい。
話を戻しまして、次にGKが多く移籍しています。GKはチームに1つしかポジションが無く、J2で主力GKとして活躍すれば他チームの目に留まりやすいと言えます。太田や中林は鳥栖では出番無かったですが、レンタル先でも控えとして請われ、中林に至ってはチャンスを掴んでJ1で活躍をみせました。
次にDF。大森は最終的に名古屋の大森として長年活躍しましたが、当時の楚輪監督(現富山監督)が「見てくれている人は見ているから腐らずにやれ」的な言葉をかけ、それが励みになったような話を過去に見た記憶があります。が、なにぶん古い話なので記憶違いがあるかもしれません。
有村も大分は当時同じJ2でしたが、活躍を買われ移籍していった一人です。加藤も鳥栖では出番が少なくなってきていた所に、鳥取からのオファーを受け、自ら移籍していきました。
最後にMF。もちろん過去に戦力外で移籍した選手(中村伸や井原康秀)が居ましたが、こういった形で相手に請われて移籍して行くのはヨシキが初になります。本当にヨシキは仙台で活躍し更に大きな舞台に羽ばたいて欲しい・・・
では何故今まで、サガン鳥栖所属のMFは他チームに請われる形で移籍できなかったのでしょうか?
単純に鳥栖の選手の力が無かったといえばそれまでですが、FW/GK/DFは鳥栖の選手であっても必要とされるのに何故MFは今まで他チームへ移籍しなかったのでしょうか?
私は(あくまで個人的な考えですが)鳥栖の選手が必要になるほどにはMFの需要は逼迫していないと言うことではないかと考えます。
これは海外で活躍する日本人選手にMFの選手が多いことにも繋がるかと思います。日本人は世界的には小さく、勤勉で、敏捷性があり、器用だといわれます。そういう意味でも日本人はMF向きなのかもしれません。
よって、プロレベルでもMFの選手が多く存在し、そのレベルは高い事から、サガン鳥栖のMFをあえて取らなくても良いほどに移籍市場に能力のあるMFが居ると言うことではないでしょうか?
結論としては、MFは相当なレベルの選手で無いと鳥栖から請われて他チームに移籍するのは難しいと言うことになります。
よって鳥栖は今まで通りFWを育てて活躍させ売るというサイクルを行なう必要があるかと思います。
またこれからはセンターバックの育成に是非力を入れて欲しいと思います。そもそも鳥栖にとってセンターバックは最も層の薄いポジションですから、もっともっと積極的にセンターバック候補を取って行くべきではないでしょうか?
正直な所、松本監督はセンターバックの補強に積極的ではなく、また見極めも早すぎるかと思います。スキルフルな選手、過去に年代別代表に選ばれるような才能のある選手が好きなのはわかりますが、そのスキルフルで才能のある選手を優先するあまり、センターバックの補強の優先度が下がっていないでしょうか?
現在日本代表のセンターバックの二人は闘莉王と中澤ですが、闘莉王は帰化選手でしたが正直な所水戸から浦和に移籍するまではここまでの選手になるとは思えませんでしたし、中澤に至っては、高校世代では目立った活躍は無く、ブラジル留学後もすぐにはプレーするチームも無く、高校生の世代に混ざって出た試合で練習生として拾われてスタートした異色の選手です。
この二人は特殊なケースではあるとおもいますが、そのくらいセンターバックの育成は時間がかかり難しいと思います。
既に戦力外となりましたが内間に関しても切るのは早すぎると個人的には考えています。(まあ足元の弱さよりもあのチキンハートを直すのは非常に時間がかかると思いますが)
逆に、他が目をつけない選手を取ってきた時代を思い出せば、鳥栖(松本さん→永井さん・都丸さん体制)には選手を見る目があるわけですから、若いセンターバックを取り、長い時間をかけてでも育成できれば大きな武器になると考えます。
そういった日本サッカー界のニッチを狙う事が、鳥栖の移籍金0時代の生き残り策ではないでしょうか?
今期もまず発表されているのはFW陣やMF陣であり、DF、特に選手層が薄すぎるセンターバックの発表は木谷以外中々ありません。(今日丹波が発表されましたが、サイド、若しくはMFの選手ですね)
もう今年の補強戦略は決まっている事から、来期に向けて、スカウトもそうですがユースでも大型センターバックを積極的に育成する方向で補強戦略を考えればサガン鳥栖の移籍金0時代の生き残りの道が見えてくるのでは?と思います。
と、まあ、私がここで何を書いても仕方ないですがねw
今年もこんな感じでだらだらと意味の無い鳥栖談義を書いていきますので、皆様宜しくお願い致します。
追伸1:本日ホンダから早坂の加入が発表されましたが「この度、縁があって」とは中々エスプリが効いてますなwww
追伸2:ドリコムblogがライブドアblogになってしまう関係で、近々blogを引っ越します。
ちょっとライブドアblogは使いづらそうなので別のblogに引っ越す予定。使いやすいお勧めblogがあれば是非教えて下さい。
今年も宜しくお願いします。
私事ですが、先日24歳と120ヶ月になりました。
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年が明けて2010年となりましたが、昨年末より移籍が相次ぎ、昨年のスタメンの大半が鳥栖から去りました。
余談ですが旧サガン鳥栖時代を考えると、1月終わりぐらいまで選手構成がどうなるかなんて全くわからなかったので、今の「早く発表してくれないと」的な気持ちは結構贅沢なものですね。まあ当たり前のサッカーチームになったって事ですがw
今年は所謂移籍金は無くなり契約が残っている場合の違約金のみになった初年度で、鳥栖はお金が無いので複数年契約を結んでおらず、大卒1年目選手や24歳以上の選手からは移籍金どころか育成費も取れないと言う事体が発生しました。
そして実際に大卒加入1年目でステップアップとはいえない移籍もありましたし、ステップアップではありましたが、移籍金や育成費を受け取れない移籍もありました。
これらの事情から、サガン鳥栖は今年複数年契約を結んだ(結ぶ予定)の選手も居るそうです。
こういった移籍金無しの時代に、サガン鳥栖はどのような選手を育成していくべきなのでしょうか?
今後も経営規模から選手をこちらの意思に関わらず売る可能性が高いチームとして、どのような選手ならば他チームから違約金を払ってでも買って貰えるのでしょうか?
過去他チームから必要とされ移籍していった選手は以下の選手になると思います。(前監督からの引き抜かれた昨年の一連の移籍は除きます)
・DF大森 鳥栖→名古屋 '98
・GK高嵜 鳥栖→市原(現千葉) '01
・FW上村 鳥栖→川崎F '99
・FW石橋 鳥栖→北陸(現富山) '03(レンタル→'04完全移籍)
・DF有村 鳥栖→大分 '02
・FW森田 鳥栖→新潟 '03
・FW新居 鳥栖→市原(現千葉) '07
・GKシュナイダー 鳥栖→仙台 '07
・DF加藤 鳥栖→鳥取 '08
・GK中林 鳥栖→広島 '08(レンタル中:完全移籍の噂)
・GK太田 鳥栖→鳥取 '08(レンタル→'09完全移籍)
・FW藤田 鳥栖→大宮 '09
・MF高橋 鳥栖→仙台 '10
(戦力外での移籍は除いたつもりですがもしかすると戦力外での移籍選手も含まれるかもしれません)
まずFWの移籍が多いこと。これはJ2であれ、得点と言う判りやすい形で成績に見えますし、どのチームも得点源を必要としているという周知の事実が見えてきます。また新居は違いますが、上村、森田、藤田と大型のFWが移籍していっていることがわかります。同じような活躍であっても体がでかいと言う事は十分に武器になると言うことです。
最後に石橋直希は鳥栖ではあまり活躍できなかったですが、アローズ北陸にレンタルされた後完全移籍となりました。アローズでは試合に出て活躍していた事を考えると本人にとっても相手チームにとってもいい移籍だったかと思います。
ちょっと話は変わって、調べてたらこんなページを見つけました。'05年の記事で少し古いですが、石谷吾一君が二代目としてがんばってるみたいです。
鹿児島在住の鳥栖サポの皆様、家を建てる際は是非株式会社イシタケをご検討下さい。
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次にDF。大森は最終的に名古屋の大森として長年活躍しましたが、当時の楚輪監督(現富山監督)が「見てくれている人は見ているから腐らずにやれ」的な言葉をかけ、それが励みになったような話を過去に見た記憶があります。が、なにぶん古い話なので記憶違いがあるかもしれません。
有村も大分は当時同じJ2でしたが、活躍を買われ移籍していった一人です。加藤も鳥栖では出番が少なくなってきていた所に、鳥取からのオファーを受け、自ら移籍していきました。
最後にMF。もちろん過去に戦力外で移籍した選手(中村伸や井原康秀)が居ましたが、こういった形で相手に請われて移籍して行くのはヨシキが初になります。本当にヨシキは仙台で活躍し更に大きな舞台に羽ばたいて欲しい・・・
では何故今まで、サガン鳥栖所属のMFは他チームに請われる形で移籍できなかったのでしょうか?
単純に鳥栖の選手の力が無かったといえばそれまでですが、FW/GK/DFは鳥栖の選手であっても必要とされるのに何故MFは今まで他チームへ移籍しなかったのでしょうか?
私は(あくまで個人的な考えですが)鳥栖の選手が必要になるほどにはMFの需要は逼迫していないと言うことではないかと考えます。
これは海外で活躍する日本人選手にMFの選手が多いことにも繋がるかと思います。日本人は世界的には小さく、勤勉で、敏捷性があり、器用だといわれます。そういう意味でも日本人はMF向きなのかもしれません。
よって、プロレベルでもMFの選手が多く存在し、そのレベルは高い事から、サガン鳥栖のMFをあえて取らなくても良いほどに移籍市場に能力のあるMFが居ると言うことではないでしょうか?
結論としては、MFは相当なレベルの選手で無いと鳥栖から請われて他チームに移籍するのは難しいと言うことになります。
よって鳥栖は今まで通りFWを育てて活躍させ売るというサイクルを行なう必要があるかと思います。
またこれからはセンターバックの育成に是非力を入れて欲しいと思います。そもそも鳥栖にとってセンターバックは最も層の薄いポジションですから、もっともっと積極的にセンターバック候補を取って行くべきではないでしょうか?
正直な所、松本監督はセンターバックの補強に積極的ではなく、また見極めも早すぎるかと思います。スキルフルな選手、過去に年代別代表に選ばれるような才能のある選手が好きなのはわかりますが、そのスキルフルで才能のある選手を優先するあまり、センターバックの補強の優先度が下がっていないでしょうか?
現在日本代表のセンターバックの二人は闘莉王と中澤ですが、闘莉王は帰化選手でしたが正直な所水戸から浦和に移籍するまではここまでの選手になるとは思えませんでしたし、中澤に至っては、高校世代では目立った活躍は無く、ブラジル留学後もすぐにはプレーするチームも無く、高校生の世代に混ざって出た試合で練習生として拾われてスタートした異色の選手です。
この二人は特殊なケースではあるとおもいますが、そのくらいセンターバックの育成は時間がかかり難しいと思います。
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逆に、他が目をつけない選手を取ってきた時代を思い出せば、鳥栖(松本さん→永井さん・都丸さん体制)には選手を見る目があるわけですから、若いセンターバックを取り、長い時間をかけてでも育成できれば大きな武器になると考えます。
そういった日本サッカー界のニッチを狙う事が、鳥栖の移籍金0時代の生き残り策ではないでしょうか?
今期もまず発表されているのはFW陣やMF陣であり、DF、特に選手層が薄すぎるセンターバックの発表は木谷以外中々ありません。(今日丹波が発表されましたが、サイド、若しくはMFの選手ですね)
もう今年の補強戦略は決まっている事から、来期に向けて、スカウトもそうですがユースでも大型センターバックを積極的に育成する方向で補強戦略を考えればサガン鳥栖の移籍金0時代の生き残りの道が見えてくるのでは?と思います。
と、まあ、私がここで何を書いても仕方ないですがねw
今年もこんな感じでだらだらと意味の無い鳥栖談義を書いていきますので、皆様宜しくお願い致します。
追伸1:本日ホンダから早坂の加入が発表されましたが「この度、縁があって」とは中々エスプリが効いてますなwww
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「サガン鳥栖の現在地」として3回に渡り、個人的に思うサガン鳥栖が昇格を目指すに当り足りなかった事を書いてきました。
その最後は、結局「昇格」という目標設定は正しいのかを、これまで避けて来た金銭面の話を踏まえて書きたいと思います。
10月末、サガン鳥栖は岸野監督と来期の契約を結ばない意向を正式に発表しました。この理由として「実績に見合う年俸が払えない」と正式にコメントされました。
12月5日、大宮からレンタルしていたMF島田の契約が終了した事が発表されました。そしてその後は、次々と岸野氏が監督に就任する横浜FCに選手やコーチを引き抜かれている状態です。
もちろん様々な理由があると思いますが、もしサガン鳥栖に潤沢な資金があれば、岸野監督続投もあったかもしれません。同じように大宮から島田の契約を"買い上げて"完全移籍させることも、レンタル契約を延長する事も可能であったかもしれません。
しかし現実はサガン鳥栖はお金が無く、しかしその中で赤字を極力出さないように経営して行く方針が示されています。2008年のDataですが、J2他チームを含めた資金の状況は下記のようになっています。
このように、サガン鳥栖は2008年の時点でJ2でほぼ真ん中ぐらいの資金で運営されており、チームの成績はその資金力と同じか少し上と言う成績を収めています。鳥栖の資金面は大幅に増えたとも減ったとも聞きませんので今年も同じような状況だと思います。今年の昇格チームの仙台・C大阪・湘南は全て昨年時点で鳥栖より資金力も上ですし、4位の甲府も同じです。つまり「後もう少しの資金力が鳥栖には足りない」と言うことかもしれません。
前回まで書いたように、設備面も足りない、選手構成でも足りない、監督の能力も少し足りない。そして資金ももちろん足りない。そう考えると今年鳥栖が昇格できなかったのは必然性があると思います。
では資金力が足りないチームが資金力があるチームを打ち負かすにはどうすればいいのでしょうか?
今期鳥栖より上位のチームは全て(鳥栖よりは)資金力がありました。今年に限ってはそれらのチームが堅実に戦ったと言う印象があります。監督が変更があったのは湘南だけ、チームが昨季と大きく変わったチームは無し。湘南は多少不安材料があったかと思いますが、他3チームはチームの軸が出来ており、その上で堅実性があるチームでした。
一方、鳥栖より資金力があって鳥栖より下位に沈んだチームはとてもJ2昇格争いレベルで活躍できるとは思えない選手と契約していたり、チームの方針がぶれまくっていたり、チームの基幹が大きく変わったり、またチーム自体の存続危機を抱えたりと何らかの問題がありました。
つまり、何らかの問題を抱え自滅する資金力上位チームには勝てますが、堅実に戦う資金力上位チームには勝てない、と言うことではないでしょうか?
今までも、そして今年も、問題のあるチームには資金力の差を跳ね返して勝つことが出来ましたが、残念ながら資金力を大幅に上回る成績はそういうチームがたくさん居ないと無理なので、それなりの運が必要になっています。相手チームの自滅も必要ですし、選手の成長だったり、対戦相手のその時の調子だったり、様々な要因が追い風にならないと現在の鳥栖の予算規模では昇格は難しいと思います。その運は来年かも知れませんし、ずっと先まで無いかもしれません。
鳥栖が目指す物は確かにこの数年は"昇格"ですが、現在のサガン鳥栖においては、「昇格を目指すという言葉」は「運がめぐってきたときにそれを掴む体制を整えておく」という言葉と同義語だと考えます。
資金面では大きな改善はありえませんので、J2中位以上の資金をキープし、収支の健全性(まあ08年が新体制初の黒字ですから大きなことは言えませんが)もキープしながら資金力に大きく勝るチームよりも鳥栖に運が回ってくる時を待ち続けるしかないのではないかと考えます。
08年山形や今年の湘南の例で、まじめに努力し続け、運がめぐれば6〜8億の年間予算でもJ1に上がる事は可能である事は証明されています。(今年の湘南の予算規模はもう少し大きいかも知れないけど)
そういう意味では今年鳥栖が"昇格"を目標に置いた事は決して間違いではなかったと思います。長い低迷期・迷走期を経て、サガン鳥栖はJ1へのウエイティングリストの末尾にこの数年でやっと並んだのです。
これからは経営的な大きな伸びは期待できない以上、現在の状態を何年もキープし続けることが大切です。いつか鳥栖にチャンスが巡ってくるまで、少しづつ弱点を修正し、成長しながらチャンスが来るのをずっと待ち続けるしかありません。
私が勝手にそう思っているだけですが、今年サガン鳥栖に足りなかった事は"お金の問題をなしにすると"大きく別けて3つありました。
・設備面
・選手構成
・監督の能力
来期、これらはどう変わるのでしょうか?
選手構成については今年は早めに動いている、と聞いています。
既に選手もコーチも引き抜かれすぎでこの後かなりの補強や有望新人の加入が無ければなりませんが、資金の無いチームの宿命でもありますので、受け入れて、それでもサガン鳥栖で昇格を目指すのに最低限の戦力を整えて欲しいと思います。
監督の能力については今更松本監督の手腕にけちをつけるつもりはありませんし、尹コーチを監督として育てると言う方針も支持します。
その手法は岸野氏で既に立証済みです。(本当は岸野氏に次の監督を育てて欲しかったのでしょうが、それが出来るほど岸野氏は経験がありませんでした)
しかし、設備面に対し今のところ明確な改善は見えていません。恐らく一番難しく、重要なのは設備面だと自分は思います。
個人的には上に書いた事に矛盾しますが、2〜3年昇格を諦めてそのお金を設備増強に回す事が出来るのであればそれでも構わないと思っています。ただその場合に今の収入が保証されないのは痛いところですが。。。
結局、資金力が無い以上、完璧な物は得る事は出来ません。
だからこそ、地道な戦略で少しづつレベルアップして、地道に一歩一歩積み上げていくしかない、と言うのが私の結論になります。
以上が自分が考える「サガン鳥栖の現在地」になります。
最後に今年行なわれている選手の大規模な引き抜きについて。
確かに鳥栖にとっては非常に痛い移籍制度の改正でした。しかしそれをうまく活かせるように、今年の失敗を糧に出来るように、フロントには戦略の改善を希望したいと思います。それにしても状況は酷すぎますね。高地の時はベテランですし、最後は地元の近くで、と言う気持ちもあるでしょうから仕方ないとは思いましたが、大卒新人2名は何を考え、同一リーグに移籍して行くのでしょうか?
横浜FCについては新練習場も出来ましたし資金力もJ2ではあるほうですから鳥栖の選手にとってはいい移籍先かも知れません。気の知れた監督やコーチも居るわけですし。ですがサガン鳥栖愛好家としては「世話になったチームに何か残してくれよ!」と思ってしまいます。
まあ、いい環境、やりやすい環境であっても、一年でチームを出ると言うことがどういう事かは本人達もそしてチームから引き抜いた人も判っているでしょうから、受け入れるしかないですね。わかっていなくて動いているようなら単なる馬鹿ですが、DFの方ははまだしもMFの方は頭のいいプレイヤーなのでわかって動いているのでしょう。それなりの覚悟があるとおもいます。他にも動く選手が居るかも知れませんが、居るのならば早めに動いて欲しい所です。そうしないと鳥栖の補強も遅れますので。
一方、もし実現すると非常に痛いですが、選手にとってはステップアップになる移籍の話も囁かれています。
この選手については行けば確実にステップアップとなる舞台が待っていますから、非常に残念な気持ちと、もし移籍が決まれば心からがんばって欲しいとと言う気持ち両方あります。いや、本当にこの選手については残って欲しいんですよ。でも選手との別れもサガン鳥栖の今の実力ですので受け入れるしか無いです。資金的にも環境的にも仙台には今はかないませんので・・・
と、なんだか結局はお金の話になってしまう所が現実なんですが、たくさんのスポンサーの方々がサガン鳥栖の為に出してくれた資金と、サポーターの皆様のチケット収入でサガン鳥栖は支えられている訳です。
確かにJ2でも中位の資金力しかないですが、でもその資金は皆さんの貴重なお金の中から出ているわけで、そのことに感謝しつつ、サガン鳥栖にはそれを有効活用してくれて、最大の成績を収めてくれる事を願っています。
その最後は、結局「昇格」という目標設定は正しいのかを、これまで避けて来た金銭面の話を踏まえて書きたいと思います。
10月末、サガン鳥栖は岸野監督と来期の契約を結ばない意向を正式に発表しました。この理由として「実績に見合う年俸が払えない」と正式にコメントされました。
12月5日、大宮からレンタルしていたMF島田の契約が終了した事が発表されました。そしてその後は、次々と岸野氏が監督に就任する横浜FCに選手やコーチを引き抜かれている状態です。
もちろん様々な理由があると思いますが、もしサガン鳥栖に潤沢な資金があれば、岸野監督続投もあったかもしれません。同じように大宮から島田の契約を"買い上げて"完全移籍させることも、レンタル契約を延長する事も可能であったかもしれません。
しかし現実はサガン鳥栖はお金が無く、しかしその中で赤字を極力出さないように経営して行く方針が示されています。2008年のDataですが、J2他チームを含めた資金の状況は下記のようになっています。
このように、サガン鳥栖は2008年の時点でJ2でほぼ真ん中ぐらいの資金で運営されており、チームの成績はその資金力と同じか少し上と言う成績を収めています。鳥栖の資金面は大幅に増えたとも減ったとも聞きませんので今年も同じような状況だと思います。今年の昇格チームの仙台・C大阪・湘南は全て昨年時点で鳥栖より資金力も上ですし、4位の甲府も同じです。つまり「後もう少しの資金力が鳥栖には足りない」と言うことかもしれません。
前回まで書いたように、設備面も足りない、選手構成でも足りない、監督の能力も少し足りない。そして資金ももちろん足りない。そう考えると今年鳥栖が昇格できなかったのは必然性があると思います。
では資金力が足りないチームが資金力があるチームを打ち負かすにはどうすればいいのでしょうか?
今期鳥栖より上位のチームは全て(鳥栖よりは)資金力がありました。今年に限ってはそれらのチームが堅実に戦ったと言う印象があります。監督が変更があったのは湘南だけ、チームが昨季と大きく変わったチームは無し。湘南は多少不安材料があったかと思いますが、他3チームはチームの軸が出来ており、その上で堅実性があるチームでした。
一方、鳥栖より資金力があって鳥栖より下位に沈んだチームはとてもJ2昇格争いレベルで活躍できるとは思えない選手と契約していたり、チームの方針がぶれまくっていたり、チームの基幹が大きく変わったり、またチーム自体の存続危機を抱えたりと何らかの問題がありました。
つまり、何らかの問題を抱え自滅する資金力上位チームには勝てますが、堅実に戦う資金力上位チームには勝てない、と言うことではないでしょうか?
今までも、そして今年も、問題のあるチームには資金力の差を跳ね返して勝つことが出来ましたが、残念ながら資金力を大幅に上回る成績はそういうチームがたくさん居ないと無理なので、それなりの運が必要になっています。相手チームの自滅も必要ですし、選手の成長だったり、対戦相手のその時の調子だったり、様々な要因が追い風にならないと現在の鳥栖の予算規模では昇格は難しいと思います。その運は来年かも知れませんし、ずっと先まで無いかもしれません。
鳥栖が目指す物は確かにこの数年は"昇格"ですが、現在のサガン鳥栖においては、「昇格を目指すという言葉」は「運がめぐってきたときにそれを掴む体制を整えておく」という言葉と同義語だと考えます。
資金面では大きな改善はありえませんので、J2中位以上の資金をキープし、収支の健全性(まあ08年が新体制初の黒字ですから大きなことは言えませんが)もキープしながら資金力に大きく勝るチームよりも鳥栖に運が回ってくる時を待ち続けるしかないのではないかと考えます。
08年山形や今年の湘南の例で、まじめに努力し続け、運がめぐれば6〜8億の年間予算でもJ1に上がる事は可能である事は証明されています。(今年の湘南の予算規模はもう少し大きいかも知れないけど)
そういう意味では今年鳥栖が"昇格"を目標に置いた事は決して間違いではなかったと思います。長い低迷期・迷走期を経て、サガン鳥栖はJ1へのウエイティングリストの末尾にこの数年でやっと並んだのです。
これからは経営的な大きな伸びは期待できない以上、現在の状態を何年もキープし続けることが大切です。いつか鳥栖にチャンスが巡ってくるまで、少しづつ弱点を修正し、成長しながらチャンスが来るのをずっと待ち続けるしかありません。
私が勝手にそう思っているだけですが、今年サガン鳥栖に足りなかった事は"お金の問題をなしにすると"大きく別けて3つありました。
・設備面
・選手構成
・監督の能力
来期、これらはどう変わるのでしょうか?
選手構成については今年は早めに動いている、と聞いています。
既に選手もコーチも引き抜かれすぎでこの後かなりの補強や有望新人の加入が無ければなりませんが、資金の無いチームの宿命でもありますので、受け入れて、それでもサガン鳥栖で昇格を目指すのに最低限の戦力を整えて欲しいと思います。
監督の能力については今更松本監督の手腕にけちをつけるつもりはありませんし、尹コーチを監督として育てると言う方針も支持します。
その手法は岸野氏で既に立証済みです。(本当は岸野氏に次の監督を育てて欲しかったのでしょうが、それが出来るほど岸野氏は経験がありませんでした)
しかし、設備面に対し今のところ明確な改善は見えていません。恐らく一番難しく、重要なのは設備面だと自分は思います。
個人的には上に書いた事に矛盾しますが、2〜3年昇格を諦めてそのお金を設備増強に回す事が出来るのであればそれでも構わないと思っています。ただその場合に今の収入が保証されないのは痛いところですが。。。
結局、資金力が無い以上、完璧な物は得る事は出来ません。
だからこそ、地道な戦略で少しづつレベルアップして、地道に一歩一歩積み上げていくしかない、と言うのが私の結論になります。
以上が自分が考える「サガン鳥栖の現在地」になります。
最後に今年行なわれている選手の大規模な引き抜きについて。
確かに鳥栖にとっては非常に痛い移籍制度の改正でした。しかしそれをうまく活かせるように、今年の失敗を糧に出来るように、フロントには戦略の改善を希望したいと思います。それにしても状況は酷すぎますね。高地の時はベテランですし、最後は地元の近くで、と言う気持ちもあるでしょうから仕方ないとは思いましたが、大卒新人2名は何を考え、同一リーグに移籍して行くのでしょうか?
横浜FCについては新練習場も出来ましたし資金力もJ2ではあるほうですから鳥栖の選手にとってはいい移籍先かも知れません。気の知れた監督やコーチも居るわけですし。ですがサガン鳥栖愛好家としては「世話になったチームに何か残してくれよ!」と思ってしまいます。
まあ、いい環境、やりやすい環境であっても、一年でチームを出ると言うことがどういう事かは本人達もそしてチームから引き抜いた人も判っているでしょうから、受け入れるしかないですね。わかっていなくて動いているようなら単なる馬鹿ですが、DFの方ははまだしもMFの方は頭のいいプレイヤーなのでわかって動いているのでしょう。それなりの覚悟があるとおもいます。他にも動く選手が居るかも知れませんが、居るのならば早めに動いて欲しい所です。そうしないと鳥栖の補強も遅れますので。
一方、もし実現すると非常に痛いですが、選手にとってはステップアップになる移籍の話も囁かれています。
この選手については行けば確実にステップアップとなる舞台が待っていますから、非常に残念な気持ちと、もし移籍が決まれば心からがんばって欲しいとと言う気持ち両方あります。いや、本当にこの選手については残って欲しいんですよ。でも選手との別れもサガン鳥栖の今の実力ですので受け入れるしか無いです。資金的にも環境的にも仙台には今はかないませんので・・・
と、なんだか結局はお金の話になってしまう所が現実なんですが、たくさんのスポンサーの方々がサガン鳥栖の為に出してくれた資金と、サポーターの皆様のチケット収入でサガン鳥栖は支えられている訳です。
確かにJ2でも中位の資金力しかないですが、でもその資金は皆さんの貴重なお金の中から出ているわけで、そのことに感謝しつつ、サガン鳥栖にはそれを有効活用してくれて、最大の成績を収めてくれる事を願っています。
しつこいですが、前回、前々回と同様「サガン鳥栖が昇格を現実的な目標として目指しているチーム」として考えています。
この前提が無ければ話は全く変わりますので、上記前提を頭に入れた上で読んで頂ければと思います。
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3:指導者の疑問点
ここで言う指導者は端的に言うと岸野監督になります。
しかし岸野監督の話の前に、GKコーチについて簡単に書きたいと思います。
現在、GKコーチはコーチとしての実績が無い本間コーチがやっています。
もちろん本人の能力について私が知る余地が現在の所殆ど無いですが、しかし、非常に強い疑問を持っています。
なぜ笹原コーチをそのまま繋ぎとめる事が出来なかったのでしょうか?
経費削減があったのかもしれませんが、既に移籍した選手を含めサガン鳥栖のGKが(J2では)一定水準以上の選手に育ったのは笹原コーチの功績ではないでしょうか。試合前のアップで、あれだけ多彩な"活きた"ボールを嫌らしい所(しかししっかりと反応できれば触れる所)に蹴って、GKに感覚をつかませる事が出来るコーチを私は知りません。
選手を育てる事を考えたときに、設備面では現状維持しか出来ていないわけですから、優秀な指導者は保有選手数を減らしてでも残すべきです。昇格と言う目標を撤回してでも鳥栖は優秀な指導者を繋ぎとめる必要があると考えています。
本当は前回書くべきだったのですが、失念してしまったのでこちらに書かせていただきました。
さて、本題に戻ります。
岸野監督は現役時代DFとして活躍し、その後コーチの道を進みます。
東京Vコーチ時代は現日本代表の中澤、平本、森本らを育て、緊急時の監督代行も経験されました。
そのような実績のある優秀なコーチが鳥栖に来てくれると言う事が、新生サガン鳥栖になったと実感させる出来事でした。
その後、2年間コーチとして実績を詰み、06年から監督に就任。
就任1年目、岸野監督率いるサガン鳥栖はいきなり躓きます。
06年07年は1年生監督にとっては非常に大変なシーズンだったと思います。
昨年までチームの軸だった新居が移籍し、守備の要として機能したユジンや抜群のキープ力で前線で為を作っていた濱田もレンタル元に戻りました。
またユンさんの衰えも顕著で昨季4位の面影が感じられないサッカーとなってしまっていました。
基本的に"走る"サッカーであり、走れなくてもボールをキープできたり、捌いたり出来る選手を重要視しなかった(そういうタイプが居なかったと言うこともある)ため、よく言えば運動量多くアグレッシブ、悪く言えばちょこまかと動くけどボールが落ち着かないサッカーでした。
しかし、昨季後半には徐々にその実力の片鱗を見せていた藤田がこの年独り立ちし、シーズン後半からチームを引っ張り始めます。
中盤ではなく前線でボールの落ち着きどころが出来た事で鳥栖の前線からのプレスが活きる形が出来ました。
結果、シーズンを終わってみれば序盤躓きながらも藤田の急成長で何とか形になった1年目でした。
二年目のシーズンも1年目と同じく中盤の構成力不足は解消できませんでした。
恐らく守備の負担を減らせばレオナルドあたりはもう少しボールキープも出来たのでしょうが、役割に関係なく全員に運動量と守備を求める岸野サッカーでは、レオナルドを活かす事は出来ず、また同じようにキープ力があるキムシンヨンも活かす事が出来ませんでした。
結局は藤田の守備とポストプレイと決定力に頼るサッカーであり、せっかく獲得した船谷も充分に活かす事はできませんでした。
藤田が調子が悪かったり、相手に潰されたりすると何も出来ないサッカーになってしまっていて、実際にシーズン後半は下位に対し勝点を落とし、徐々に順位を下げていきました。
私はこの年後半戦失速した理由は岸野監督が指導する鳥栖のやり方が浸透したことの悪い面であったと考えています。
鳥栖がプレスをかけるゾーンは前から積極的にといっても限定できます。そしてプレスをかけるゾーンとかけないゾーンの間から前線にボールを繋げば鳥栖の武器であるすばやい寄せをスルーし、尚且つ鳥栖の弱点をつく事が出来ると言うことが他チームにも知れ渡ってしまい、それに対して愚直に同じサッカーしか出来ない鳥栖は勝点を落とす結果となりました。
当時監督は相手がロングボールでの中盤を省略してきて。。。と言っていましたが、実際には厳密には中盤の作り方の違いであって、単純に放り込むだけではなく鳥栖の弱点を突いて崩されていました。
確かに中盤でのキープ出来て、展開力がある選手が居ない為、全員サッカーになった面もあります。
そして同じようなタイプの選手が多かった為、そういった戦術が取り易かった面もありますが、一方チームとしての戦術の幅がありませんでした。実際には選手には夫々個性がありもう少し選手の特性を見極め、その選手にあった役割を持たせてチームとして纏めていれば違った結果になったのでは?と思います。
三年目
これは以前書きましたが、第一クールは本当に泥沼でした。
岸野監督がチームに求めていたのは、藤田が居ないにも関わらず、昨季の"藤田が居る"鳥栖サッカーでした。
せっかく中盤で為が作れ、展開をつけることが出来る島田を獲得したにも関わらず、他の選手、そして監督も島田を活かすのではなく、昨年までのサッカーを継続する事となり、そこには最も重要であった藤田が居ませんでした。
FW候補であったトジンや池田には酷なほど、藤田がやっていた守備とポストと決定力が求められていました。実際にそれで機能したがどうかは闇の中ですが、例えばトジンをポストや得点力のみを求めて守備の負担から解放してあげる、それも一つの対応策だったと思います。池田についても最初から高いハードルだけ与えるのは間違っています。実際に彼がどの程度の能力を持っているのかはわかりませんが、序盤は藤田の1年目よりはるかにいい動きだったと思います。
結局は藤田に近い役割が出来、藤田以上に高さに絶対の自信を持つハーフナーが加入した事で、スムーズに去年と同じサッカーが出来るようになり、そこに去年居なかった中盤の構成力がある島田が居て、破壊力のあるドリブルが出来る武岡が育ち、シーズン後半からは鳥栖の守備の穴に多少対応できる本物の守備的MFであるホベルトが加入しました。
これらの要因により、同じようなサッカーであっても質と言う面では昨季とは比べ物にならないクオリティーと勝負強さを手に入れ、第2クール首位、第3クールもトップクラスの戦跡を残す事が出来ています。返す返す、後もう少し第1クールで勝点を取れていれば・・・・
岸野監督には岸野監督の信念や理想があり、監督2年目で見つけた鳥栖においての1つの解が今のやり方だったのかもしれません。
しかし、現実を見つめてJ1昇格を目指すのであれば、その一つの解にこだわるのではなく、別の解を探すべきでした。
少なくともキャンプ時には昨年のサッカーが出来ないことはわかりきっていたはずです。開幕時の戦力で戦う為の、昨年とは違うやり方は無かったのか?
また試合内容としても特定の選手の出来が大きく影響するのは変わっていません。
私個人はサッカーにおける戦術とは個人の能力を活かし、そして個人の出来による差を最小限に抑える為の物と考えます。
よって選手の組み合わせが変わればやり方に変化が出るのは当たり前で、どの選手が出ても同じ事が出来ると言うのは理想ですが、選手は量産品ではないので、選手が違えば戦術や細かいやり方も変える必要があると考えます。
そういった戦術的な引き出しの少なさが第一クールの不振につながり、その後補強で盛り返しましたが、結局は昇格を逃す事になったと考えています。
試合での選手交代についても、決まった形が出来てしまうと勝ってても負けてても同じような交代が目立ちました。
あえて名前を出しますが、負けているときに正確なFKを蹴る事が出来る島田を交代させる事が多々ありました。確かに島田が運動量が落ちていたり出来が悪かったりしたのかもしれませんが、鳥栖で最も正確なFKを蹴れる選手を負けている試合で交代させるのは今も得策とは思えません。島田を交代させるな!とは言いませんが、負けている試合で交代させる選手とは思えません。
実際には外野よりも監督の方が当たり前ですがチームが見えているわけで、監督の考えが選手交代においては絶対ではありますが、個人的な考えとして負けている試合での島田の交代が納得いかないのであえて記しておきます。
長々と書きましたが、今回は誤解を受ける可能性が高いので一応補足します。
私は岸野監督が無能だと言いたい訳ではないです。
むしろこの予算でこれだけの結果を残しているのですから優秀な部類の監督になるのではないでしょうか?
ただ「現在の鳥栖で昇格を目指す」には監督のやり方にも問題があったと考えます。
(次回に続く)
この前提が無ければ話は全く変わりますので、上記前提を頭に入れた上で読んで頂ければと思います。
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3:指導者の疑問点
ここで言う指導者は端的に言うと岸野監督になります。
しかし岸野監督の話の前に、GKコーチについて簡単に書きたいと思います。
現在、GKコーチはコーチとしての実績が無い本間コーチがやっています。
もちろん本人の能力について私が知る余地が現在の所殆ど無いですが、しかし、非常に強い疑問を持っています。
なぜ笹原コーチをそのまま繋ぎとめる事が出来なかったのでしょうか?
経費削減があったのかもしれませんが、既に移籍した選手を含めサガン鳥栖のGKが(J2では)一定水準以上の選手に育ったのは笹原コーチの功績ではないでしょうか。試合前のアップで、あれだけ多彩な"活きた"ボールを嫌らしい所(しかししっかりと反応できれば触れる所)に蹴って、GKに感覚をつかませる事が出来るコーチを私は知りません。
選手を育てる事を考えたときに、設備面では現状維持しか出来ていないわけですから、優秀な指導者は保有選手数を減らしてでも残すべきです。昇格と言う目標を撤回してでも鳥栖は優秀な指導者を繋ぎとめる必要があると考えています。
本当は前回書くべきだったのですが、失念してしまったのでこちらに書かせていただきました。
さて、本題に戻ります。
岸野監督は現役時代DFとして活躍し、その後コーチの道を進みます。
東京Vコーチ時代は現日本代表の中澤、平本、森本らを育て、緊急時の監督代行も経験されました。
そのような実績のある優秀なコーチが鳥栖に来てくれると言う事が、新生サガン鳥栖になったと実感させる出来事でした。
その後、2年間コーチとして実績を詰み、06年から監督に就任。
就任1年目、岸野監督率いるサガン鳥栖はいきなり躓きます。
06年07年は1年生監督にとっては非常に大変なシーズンだったと思います。
昨年までチームの軸だった新居が移籍し、守備の要として機能したユジンや抜群のキープ力で前線で為を作っていた濱田もレンタル元に戻りました。
またユンさんの衰えも顕著で昨季4位の面影が感じられないサッカーとなってしまっていました。
基本的に"走る"サッカーであり、走れなくてもボールをキープできたり、捌いたり出来る選手を重要視しなかった(そういうタイプが居なかったと言うこともある)ため、よく言えば運動量多くアグレッシブ、悪く言えばちょこまかと動くけどボールが落ち着かないサッカーでした。
しかし、昨季後半には徐々にその実力の片鱗を見せていた藤田がこの年独り立ちし、シーズン後半からチームを引っ張り始めます。
中盤ではなく前線でボールの落ち着きどころが出来た事で鳥栖の前線からのプレスが活きる形が出来ました。
結果、シーズンを終わってみれば序盤躓きながらも藤田の急成長で何とか形になった1年目でした。
二年目のシーズンも1年目と同じく中盤の構成力不足は解消できませんでした。
恐らく守備の負担を減らせばレオナルドあたりはもう少しボールキープも出来たのでしょうが、役割に関係なく全員に運動量と守備を求める岸野サッカーでは、レオナルドを活かす事は出来ず、また同じようにキープ力があるキムシンヨンも活かす事が出来ませんでした。
結局は藤田の守備とポストプレイと決定力に頼るサッカーであり、せっかく獲得した船谷も充分に活かす事はできませんでした。
藤田が調子が悪かったり、相手に潰されたりすると何も出来ないサッカーになってしまっていて、実際にシーズン後半は下位に対し勝点を落とし、徐々に順位を下げていきました。
私はこの年後半戦失速した理由は岸野監督が指導する鳥栖のやり方が浸透したことの悪い面であったと考えています。
鳥栖がプレスをかけるゾーンは前から積極的にといっても限定できます。そしてプレスをかけるゾーンとかけないゾーンの間から前線にボールを繋げば鳥栖の武器であるすばやい寄せをスルーし、尚且つ鳥栖の弱点をつく事が出来ると言うことが他チームにも知れ渡ってしまい、それに対して愚直に同じサッカーしか出来ない鳥栖は勝点を落とす結果となりました。
当時監督は相手がロングボールでの中盤を省略してきて。。。と言っていましたが、実際には厳密には中盤の作り方の違いであって、単純に放り込むだけではなく鳥栖の弱点を突いて崩されていました。
確かに中盤でのキープ出来て、展開力がある選手が居ない為、全員サッカーになった面もあります。
そして同じようなタイプの選手が多かった為、そういった戦術が取り易かった面もありますが、一方チームとしての戦術の幅がありませんでした。実際には選手には夫々個性がありもう少し選手の特性を見極め、その選手にあった役割を持たせてチームとして纏めていれば違った結果になったのでは?と思います。
三年目
これは以前書きましたが、第一クールは本当に泥沼でした。
岸野監督がチームに求めていたのは、藤田が居ないにも関わらず、昨季の"藤田が居る"鳥栖サッカーでした。
せっかく中盤で為が作れ、展開をつけることが出来る島田を獲得したにも関わらず、他の選手、そして監督も島田を活かすのではなく、昨年までのサッカーを継続する事となり、そこには最も重要であった藤田が居ませんでした。
FW候補であったトジンや池田には酷なほど、藤田がやっていた守備とポストと決定力が求められていました。実際にそれで機能したがどうかは闇の中ですが、例えばトジンをポストや得点力のみを求めて守備の負担から解放してあげる、それも一つの対応策だったと思います。池田についても最初から高いハードルだけ与えるのは間違っています。実際に彼がどの程度の能力を持っているのかはわかりませんが、序盤は藤田の1年目よりはるかにいい動きだったと思います。
結局は藤田に近い役割が出来、藤田以上に高さに絶対の自信を持つハーフナーが加入した事で、スムーズに去年と同じサッカーが出来るようになり、そこに去年居なかった中盤の構成力がある島田が居て、破壊力のあるドリブルが出来る武岡が育ち、シーズン後半からは鳥栖の守備の穴に多少対応できる本物の守備的MFであるホベルトが加入しました。
これらの要因により、同じようなサッカーであっても質と言う面では昨季とは比べ物にならないクオリティーと勝負強さを手に入れ、第2クール首位、第3クールもトップクラスの戦跡を残す事が出来ています。返す返す、後もう少し第1クールで勝点を取れていれば・・・・
岸野監督には岸野監督の信念や理想があり、監督2年目で見つけた鳥栖においての1つの解が今のやり方だったのかもしれません。
しかし、現実を見つめてJ1昇格を目指すのであれば、その一つの解にこだわるのではなく、別の解を探すべきでした。
少なくともキャンプ時には昨年のサッカーが出来ないことはわかりきっていたはずです。開幕時の戦力で戦う為の、昨年とは違うやり方は無かったのか?
また試合内容としても特定の選手の出来が大きく影響するのは変わっていません。
私個人はサッカーにおける戦術とは個人の能力を活かし、そして個人の出来による差を最小限に抑える為の物と考えます。
よって選手の組み合わせが変わればやり方に変化が出るのは当たり前で、どの選手が出ても同じ事が出来ると言うのは理想ですが、選手は量産品ではないので、選手が違えば戦術や細かいやり方も変える必要があると考えます。
そういった戦術的な引き出しの少なさが第一クールの不振につながり、その後補強で盛り返しましたが、結局は昇格を逃す事になったと考えています。
試合での選手交代についても、決まった形が出来てしまうと勝ってても負けてても同じような交代が目立ちました。
あえて名前を出しますが、負けているときに正確なFKを蹴る事が出来る島田を交代させる事が多々ありました。確かに島田が運動量が落ちていたり出来が悪かったりしたのかもしれませんが、鳥栖で最も正確なFKを蹴れる選手を負けている試合で交代させるのは今も得策とは思えません。島田を交代させるな!とは言いませんが、負けている試合で交代させる選手とは思えません。
実際には外野よりも監督の方が当たり前ですがチームが見えているわけで、監督の考えが選手交代においては絶対ではありますが、個人的な考えとして負けている試合での島田の交代が納得いかないのであえて記しておきます。
長々と書きましたが、今回は誤解を受ける可能性が高いので一応補足します。
私は岸野監督が無能だと言いたい訳ではないです。
むしろこの予算でこれだけの結果を残しているのですから優秀な部類の監督になるのではないでしょうか?
ただ「現在の鳥栖で昇格を目指す」には監督のやり方にも問題があったと考えます。
(次回に続く)
間がだいぶ開いてしまいましたが前回の続きです。
前回と同様「サガン鳥栖が昇格を現実的な目標として目指しているチーム」として考えています。
この前提が無ければ話は全く変わりますので、上記前提を頭に入れた上で読んで頂ければと思います。
2:選手編成・構成の問題
今シーズン、サガン鳥栖はスローガンを「夢昇格」とし、始動時から昇格を目指すと公言していました。
エースストライカーの藤田は残念ながら移籍しましたが、中盤に長年の課題であった高制度のFK/CKを蹴る事が出来る島田をレンタルながら獲得し、
他チームを戦力外となった有力選手から磯崎と柳沢という実績のある両サイドバック、バックアップとしてフィールドなら何処でも出来て日本代表経験もある山田卓也を獲得しました。
そして藤田が抜けたFWには外国籍選手を獲得すると当初から公言していました。しかし、いきなり外国籍選手補強で躓きます。
過去の経験や資金不足もあってか、サガン鳥栖は外国籍選手選びに慎重になりすぎたと思います。
もちろん慌てて取って使えない選手を獲得してしまうよりはましですが、昇格を目指すチームが、移籍したエースストライカーの獲得に時間をかけすぎて実際にその外国籍選手を獲得できたのは開幕直前になってしまいました。
加入したトジンは非常に能力の高い選手でしたが日本のスペースの無い早いサッカーへの対応に時間がかかり、また岸野監督の戦術に中々フィットできず、どちらかと言うと序盤は宝の持ち腐れといった感がありました。
外国籍選手で躓いた鳥栖の開幕当初のFWは以下の人材でした。
廣瀬浩二 FWにコンバートされ昨年後半"藤田とのコンビで"活躍。一応実績あり
市原大嗣 大分からレンタル。実績なし
トジン ブラジルからレンタル。開幕直前に加入。
池田圭 大卒新人
谷口堅三 昨年、主に前半戦で起用されそれなりに活躍したが後半戦は微妙だった。実績不十分。
池田は大卒新人で池田が加入していましたが、残念ながらJ2でいきなり活躍できる程の人材ではありませんでした。
それでも以前の鳥栖であれば我慢してじっくりと使って育てる事は出来たと思いますが、チームは昇格を目指している以上、即戦力が必要でした。
もう一人FWの軸候補として市原をレンタルで獲得しましたが期待されていたかもしれませんが残念ながら試合に出場する事さえままならない状況でした。
よって、開幕時FWとしてJで実績がある選手はかろうじて昨年後半活躍した廣瀬のみと言う状況。
その廣瀬はMFからのコンバートであり、身長やフィジカルからポストは期待できない、昨年は藤田にマークが集まる中での活躍であった事などから本来はFWの軸にはなりえない選手です。
しかし、実績がある選手が廣瀬しか居ない状況でしたから、廣瀬に期待せざるを得ない状況でした。これが開幕前から昇格を目指すといっていたチームのFW陣だったのです。
そしてもう一つ、センターバックの人材難という問題がありました。
数年前からですが、鳥栖は旧会社時代の選手をほぼ毎年大量解雇し選手を入れ替えてきました。
その時に優先されたのは中盤や前目いわゆる"足元のうまい"選手の補強でした。
確かに旧会社時代の選手と今の選手ではテクニックというかサッカーのうまさは全然違います。
トラップやキック等のベースが全く違います。これはこれでサガン鳥栖にとって必要な補強戦略であったと思います。
しかしそのツケが回ってきたのがセンターバックの人材難です。
開幕当初のセンターバック候補は以下の3人(+1人)です。
飯尾和也 サガン鳥栖加入当初は守備的MFだったが、上記の選手の入れ替えの中で手薄なセンターバックへコンバート。実績あり
内間安路 昨年、柴小屋との争いに判定勝ちし、ほぼレギュラークラスになった。足元に不安あり。ポカも多い。
渡邉将基 大卒新人
山田卓也 ユーティリティプレイヤーでセンターバック"も"出来る。
本職のセンターバックといえるのは、足元が弱くポカが多い内間と新人の渡邉のみ。
飯尾は確かにセンターバックとしての実績を積みましたが、元々は守備的MFのスイーパータイプであり、高さに不安を残します。
山卓はセンターバック"も"出来ますしフィジカルも強いですがやはり高さに不安を残します。
こちらもFW陣と同様に、昇格を目指すチームのセンターバックといえる状況ではなかったと断言します。
結果として、序盤は我慢して飯尾と渡邉・内間の併用と言う起用をせざるを得ない状況でした。
渡邉はミスも多かったですが急成長してくれたおかげで何とか飯尾と渡邉の二枚はそろいましたが、どちらか一人でも欠けると大変な状況でした。
そしてそのかろうじてそろった二人も中盤の出来次第でピンチを度々招く結果となりました。
これは少なくとも岸野監督が率いたサガンではずっと抱えている弱点がDF(と守備的MFの組み合わせ)であり、それを未だ解消できないで居る為です。
まだシーズンの残りがありますし恐らく来年もこの組み合わせがベースとなると思いますので詳しくは書きませんが、J2中位〜上位に来るチームは鳥栖DFの弱点に気がついていたと思います。
このように開幕当初から昇格を目指すと宣言していたチームでありながら、FWとセンターバックに致命的な欠陥を抱えたままでシーズンに突入したサガン鳥栖は、結果論に過ぎませんが、実際に開幕直後に躓きました。
FWについては1C終わるまで解決策を見出せませんでした。DFについては爆弾を抱えたまま、しかし適切な補強により弱点は目立たなくはなっています。
しかし何度も書きますが、開幕前から昇格を目指すと公言していたチームのFWやDFの陣容では無かったかとおもいます。
シーズン中の補強戦略はうまく行きましたし、それだけは昇格を争うチームの補強戦略であったと記しておきます。
---------
次回はこの選手層の問題を踏まえ、指導者の問題(疑問点)を書きたいと思います。
前回と同様「サガン鳥栖が昇格を現実的な目標として目指しているチーム」として考えています。
この前提が無ければ話は全く変わりますので、上記前提を頭に入れた上で読んで頂ければと思います。
2:選手編成・構成の問題
今シーズン、サガン鳥栖はスローガンを「夢昇格」とし、始動時から昇格を目指すと公言していました。
エースストライカーの藤田は残念ながら移籍しましたが、中盤に長年の課題であった高制度のFK/CKを蹴る事が出来る島田をレンタルながら獲得し、
他チームを戦力外となった有力選手から磯崎と柳沢という実績のある両サイドバック、バックアップとしてフィールドなら何処でも出来て日本代表経験もある山田卓也を獲得しました。
そして藤田が抜けたFWには外国籍選手を獲得すると当初から公言していました。しかし、いきなり外国籍選手補強で躓きます。
過去の経験や資金不足もあってか、サガン鳥栖は外国籍選手選びに慎重になりすぎたと思います。
もちろん慌てて取って使えない選手を獲得してしまうよりはましですが、昇格を目指すチームが、移籍したエースストライカーの獲得に時間をかけすぎて実際にその外国籍選手を獲得できたのは開幕直前になってしまいました。
加入したトジンは非常に能力の高い選手でしたが日本のスペースの無い早いサッカーへの対応に時間がかかり、また岸野監督の戦術に中々フィットできず、どちらかと言うと序盤は宝の持ち腐れといった感がありました。
外国籍選手で躓いた鳥栖の開幕当初のFWは以下の人材でした。
廣瀬浩二 FWにコンバートされ昨年後半"藤田とのコンビで"活躍。一応実績あり
市原大嗣 大分からレンタル。実績なし
トジン ブラジルからレンタル。開幕直前に加入。
池田圭 大卒新人
谷口堅三 昨年、主に前半戦で起用されそれなりに活躍したが後半戦は微妙だった。実績不十分。
池田は大卒新人で池田が加入していましたが、残念ながらJ2でいきなり活躍できる程の人材ではありませんでした。
それでも以前の鳥栖であれば我慢してじっくりと使って育てる事は出来たと思いますが、チームは昇格を目指している以上、即戦力が必要でした。
もう一人FWの軸候補として市原をレンタルで獲得しましたが期待されていたかもしれませんが残念ながら試合に出場する事さえままならない状況でした。
よって、開幕時FWとしてJで実績がある選手はかろうじて昨年後半活躍した廣瀬のみと言う状況。
その廣瀬はMFからのコンバートであり、身長やフィジカルからポストは期待できない、昨年は藤田にマークが集まる中での活躍であった事などから本来はFWの軸にはなりえない選手です。
しかし、実績がある選手が廣瀬しか居ない状況でしたから、廣瀬に期待せざるを得ない状況でした。これが開幕前から昇格を目指すといっていたチームのFW陣だったのです。
そしてもう一つ、センターバックの人材難という問題がありました。
数年前からですが、鳥栖は旧会社時代の選手をほぼ毎年大量解雇し選手を入れ替えてきました。
その時に優先されたのは中盤や前目いわゆる"足元のうまい"選手の補強でした。
確かに旧会社時代の選手と今の選手ではテクニックというかサッカーのうまさは全然違います。
トラップやキック等のベースが全く違います。これはこれでサガン鳥栖にとって必要な補強戦略であったと思います。
しかしそのツケが回ってきたのがセンターバックの人材難です。
開幕当初のセンターバック候補は以下の3人(+1人)です。
飯尾和也 サガン鳥栖加入当初は守備的MFだったが、上記の選手の入れ替えの中で手薄なセンターバックへコンバート。実績あり
内間安路 昨年、柴小屋との争いに判定勝ちし、ほぼレギュラークラスになった。足元に不安あり。ポカも多い。
渡邉将基 大卒新人
山田卓也 ユーティリティプレイヤーでセンターバック"も"出来る。
本職のセンターバックといえるのは、足元が弱くポカが多い内間と新人の渡邉のみ。
飯尾は確かにセンターバックとしての実績を積みましたが、元々は守備的MFのスイーパータイプであり、高さに不安を残します。
山卓はセンターバック"も"出来ますしフィジカルも強いですがやはり高さに不安を残します。
こちらもFW陣と同様に、昇格を目指すチームのセンターバックといえる状況ではなかったと断言します。
結果として、序盤は我慢して飯尾と渡邉・内間の併用と言う起用をせざるを得ない状況でした。
渡邉はミスも多かったですが急成長してくれたおかげで何とか飯尾と渡邉の二枚はそろいましたが、どちらか一人でも欠けると大変な状況でした。
そしてそのかろうじてそろった二人も中盤の出来次第でピンチを度々招く結果となりました。
これは少なくとも岸野監督が率いたサガンではずっと抱えている弱点がDF(と守備的MFの組み合わせ)であり、それを未だ解消できないで居る為です。
まだシーズンの残りがありますし恐らく来年もこの組み合わせがベースとなると思いますので詳しくは書きませんが、J2中位〜上位に来るチームは鳥栖DFの弱点に気がついていたと思います。
このように開幕当初から昇格を目指すと宣言していたチームでありながら、FWとセンターバックに致命的な欠陥を抱えたままでシーズンに突入したサガン鳥栖は、結果論に過ぎませんが、実際に開幕直後に躓きました。
FWについては1C終わるまで解決策を見出せませんでした。DFについては爆弾を抱えたまま、しかし適切な補強により弱点は目立たなくはなっています。
しかし何度も書きますが、開幕前から昇格を目指すと公言していたチームのFWやDFの陣容では無かったかとおもいます。
シーズン中の補強戦略はうまく行きましたし、それだけは昇格を争うチームの補強戦略であったと記しておきます。
---------
次回はこの選手層の問題を踏まえ、指導者の問題(疑問点)を書きたいと思います。
残り4試合で3位との勝ち点差11
今年の昇格は絶望的な数字となりました。
鳥栖にとって今年は昇格しか頭に無かったはずで、実際にそれが可能性が薄くても、応援する物も昇格する事を信じて応援していたはずです。私は第2クール札幌戦後、このように思っていました。
「まだ昇格圏と「たった」18point差です。あと30試合超あるのです。充分に昇格のチャンスはあります。」
http://syukyu-to-imosyotyu-no-hibi.blog.drecom.jp/archive/295
チームは第二クールから持ち直し勝点を稼ぎましたが序盤で落とした勝点はやはり多すぎました。鳥栖は最小8point差までつめました。それ自体は素晴らしい事です。しかし追いつき、追い越すことは出来ませんでした。
まだ今シーズンは残り4試合あります。天皇杯も残っています。チームと選手はそれらの試合に自分達の本来の力を出して貰いたいと思います。
さて、サガン鳥栖と今まだ昇格を現実的なものとして戦っている上位4チームとの差は何処にあるのでしょうか?サガン鳥栖には昇格するには何が足りなかったのでしょうか?お金というのは真実かも知れませんが、しかしお金があっても使い道を間違えたチームはたくさん居ます。お金が少ないことはあえて目をつぶり、「サガン鳥栖が昇格を現実的な目標として目指しているチーム」という前提で、何が足りないのか、足りない頭で考えてみました。
何回かに分けて書いてみたいと思います。
1:設備面の問題
鳥栖には優先的に使用できる専用の練習場がありません。(ここで言う優先使用とは使用したいときにいつでも使えるという意味です)
それでも近年は鳥栖市が協力的であったので北部グラウンドを作ってくれ、また市陸の芝も整備された為、鳥栖市内でも練習が出来る状況ではありました。しかし、練習スケジュールを年間を通して見ていた方なら知っていると思いますが、鳥栖は練習スケジュールの変更は日常茶飯事でした。同じ場所で時間の変更等ならばわかりますが、前日に発表されたら場所も時間も違うと言うことは度々ありました。オンスケジュールであっても数日に一回は場所を変えて転々とグラウンドを移って練習しています。果たしてこの状態は昇格を目指すチームとして正しいのでしょうか?私は選手が集中して練習に望む為に毎日同じピッチ、同じ環境で練習する事が必要ではないかと思います。
北部グラウンドは決してサガン鳥栖が優先使用出来るわけではありません。練習内容や試合内容、選手の疲れ具合などから急に練習時間の変更や追加を行ないたいと思っても鳥栖では環境面で簡単にいかないと言うことです。
更には選手・スタッフ獲得時への影響も無いとも言い切れません。お金も無い、練習設備も無い、あるのはスタジアムと情熱だけでは短期間ではなんとかなっても、自分を伸ばしたい、選手として大成したいと思っている選手にとってはマイナス材料です。もちろん優れた監督・コーチ陣で来る選手も居ますが、監督やコーチは"変動資産"であり、チームに永遠にあるものではありません。優れたコーチ陣はつれてくることは出来ますが、練習場はどっかから持ってくる事は出来ません。
そして、決して負けた事をグラウンドのせいにする事はしたくないですが、佐賀陸のピッチ状態の問題があります。
今年佐賀陸で対戦した仙台も甲府も鳥栖にとっては目一杯戦えば互角には戦える相手でした。しかしピッチ状態が選手が目一杯戦うことの出来る状態ではなかった。芝が枯れているだけならまだいいんですが、ピッチの地盤がでこぼこで、なんでもないところでイレギュラーしたり脚を取られたりする状態でした。佐賀県は果たして鳥栖がJ1に上がるためのバックアップが出来ていたのでしょうか?
チームは開幕前から昇格を公言していました。そして上位となりそうなチームと佐賀陸で対戦する事は1C終わった頃には見えていました。あの佐賀陸の状態は決して一朝一夕で出来た物ではありません。去年もそうでしたし、私の知る限り(十数年前から)はずっと佐賀陸はでこぼこでした。
今年は昇格を目指し、来年は同じように10月、佐賀陸にJ1のチームが来る予定でした。10月の3試合を見た状況から考えると佐賀県がサガン鳥栖と言うJ1チームを抱える準備が出来ているかどうか、非常に疑問です。どうしても佐賀陸が改善しないなら、別の会場、他県の会場も視野に入れる必要があるかと思います。(更に言えば、このピッチ状態がわかっていたはずのHOMEチームならば他のやり方をするべきだったとも思います。これは別の機会に書きます)
お金が無いから設備はそう関単にそろえられないと言う人も居るかもしれません。
鳥栖サポならば一度本棚をひっくり返して「夢がある」を読んでみて下さい。練習場や設備に対する行政の意識は根本では昔も今も変わっていないと判断するしかありません。
プロサッカーは試合会場と選手があれば出来るわけではありません。しかしあの当時、県は誘致に際して練習場よりも試合会場を優先して手配し、チームも選手を優先して手配しました。実際に鳥栖に移ってくるときに、練習場の確保は課題になっていました。
鳥栖フューチャーズ時代、最後まで自前の練習場の確保は手付かずでした。このためサガン鳥栖になった時に最初に練習場で躓きました。鳥栖フューチャーズが使用していた練習場は使えなくなったからです。
ベアスタ(鳥栖スタ)にいったことがある人は思い出してみてください。HOMEゴール裏入り口に上る坂道の横にちょっとした芝生の広場があります。芝生と言ってもごく普通の公園にある芝生と同じで一部ははげ、平らでもないピッチです。サガン鳥栖は一時期ここで練習していました。もちろん毎日ではないですが毎週ここでの練習が組まれていた時期がありました。
その時期から比べれば今の状況は雲泥の差かもしれません。
しかしそこは今も「サガン鳥栖の練習場」ではなく「サガン鳥栖が練習で使う事がある場所」でしかないのです。佐賀陸の問題と練習場の状況を考えると、今も行政側(県も市も)は「プロサッカーチームはとりあえずな芝のピッチがある会場とチームがあれば運営できる」と考えているのではないかと思ってしまいます。
ちょっと話はそれますが、サガン鳥栖は行政に協力してもらえなければ直にでもなくなってしまいます。力関係で言えば行政>サガン鳥栖であるわけです。しかし本当にお互いがお互いの事を考えていれば、この力関係は行政=サガン鳥栖で無ければおかしいです。
例えば、行政はサガン鳥栖に協力する事で1の利益を10年得られると仮定します。また協力する事でサガン鳥栖は発展し10年後からはその利益が倍になる可能性があるとします。しかし、サガン鳥栖に協力しなければ、直近の5年はお金を使わない事や今現在の鳥栖の利益を搾取する事でサガン鳥栖から3の利益が得られますが、5年後にはサガン鳥栖はなくなってしまうとします。
この場合、行政側が取るべき解は5年で得る15の利益でしょうか、10年で取る10の利益とそれに続く未来の利益でしょうか?
後先の事を考え無い、利益のみを追求する私企業であれば、答えは簡単でサガン鳥栖に協力せず、5年で15の利益を取るべきです。しかし行政期間、公共機関はそういった過剰な利益の追求を求めるのではなく得る物は少なくても公共性のある事業を長く続けて行く必要があるはずです。
このたとえ話のような行政の充分な協力を受けれるようにするのは運営会社の能力ですが、根本的なボタンの掛け違いは考え方を変えないと永遠に解決されません。あくまでもたとえ話ではありますが、行政とサガン鳥栖は決してwin-Loseの関係であってはならないはずです。win-loseの関係はそのうちlose-loseの関係になってしまいます。お互いにwin-winの関係を築く為には、サガン鳥栖側も「施設を使わせてもらっている・地域の発展に貢献させていただいている」という意識が必要ですが、同時に行政側も「施設を利用してもらっている・地域の発展に貢献してもらっている」という意識改革が必要なのではないでしょうか?
運営会社側も意識と言う面で問題があったかと思います。推測でしかありませんが、旧運営会社末期と現在では選手寮以外目に見えた進展が見られない現運営会社も、松本GMや岸野監督の好意に甘え設備面の充実は時間がかかるから後回しになっていたのでは?と思ってしまいます。
サガン鳥栖を永遠に続くチームにし、本気で昇格しJ1で戦うと思っているのであれば、お金があろうが無かろうが工夫して行政と協力し合って優先的に年間を通して使用できる練習場を確保し、何時もと同じサッカーが出来る10月の試合会場を確保する必要があります。
最後に設備面の向上に成功しているチームの例を挙げてみます。
近年成績には中々現れてきませんでしたが徐々にサッカーの質が向上し、今期は一時昇格争いに絡む所まで躍進を見せた水戸では2006年7月からホーリーピッチという専用の練習場を確保しました。この施設は土地は市からのレンタルだそうですが、水戸ホーリーホックが運営・管理すし、優先使用できる練習場です。予算規模的には鳥栖よりも小さいチームではありますが、天然芝3面の練習場を確保した水戸には大卒の優秀な選手が集まるようになり、また有力だけどJ1では出場機会の無かった選手のレンタル先にもなってきています。また今年は遂に水戸市内でJリーグの開催基準に沿ったスタジアムの改修が行なわれました。水戸はこれから非常に"怖い"存在になると思います。
次に、今年J1でほぼ残留を決めた山形はNDスタジアムがあるべにばなスポーツパーク内でほぼ全ての練習を完結させています。行ったことがある人は知っているかと思いますが、芝生のピッチが増設され、最大限の配慮がモンテディオのためになされています。
最後に、先日戦った甲府は鳥栖以上に練習場を転々としておりますが、試合会場は見違えるようにきれいになりました。小瀬のピッチがどんなに酷かった事か。。。(練習場に関してもオフィシャルを見る限りは点々としていても既に11月まで何処で行うか公表されています。ギリギリで公表される鳥栖との間に差を感じるのは私だけでしょうか?)
水戸と山形と甲府の例を出したのは鳥栖を含めて昔のJ2下位常連のチームだからです。そして3チーム共に予算規模は少なく所謂親会社を持たない弱小チームでした。そして部外者にわからない今も抱える問題点があると思いますが、設備面で格段の進歩を果たしています。
鳥栖は、優先的に使用できる練習場はまだ無く、10月の試合会場の状態は最悪で、ある年はメインスタジアムさえも芝の管理業者を替えて芝の管理に失敗しました。昔は同じような状況にあったチームの中で最も設備面で遅れているのは一体どのチームでしょうか?成長しない設備環境は果たして昇格を目指すと公言しているチームとして相応しい状況なのでしょうか?
(誤字脱字はそのうちに修正予定:次回に続く)
今年の昇格は絶望的な数字となりました。
鳥栖にとって今年は昇格しか頭に無かったはずで、実際にそれが可能性が薄くても、応援する物も昇格する事を信じて応援していたはずです。私は第2クール札幌戦後、このように思っていました。
「まだ昇格圏と「たった」18point差です。あと30試合超あるのです。充分に昇格のチャンスはあります。」
http://syukyu-to-imosyotyu-no-hibi.blog.drecom.jp/archive/295
チームは第二クールから持ち直し勝点を稼ぎましたが序盤で落とした勝点はやはり多すぎました。鳥栖は最小8point差までつめました。それ自体は素晴らしい事です。しかし追いつき、追い越すことは出来ませんでした。
まだ今シーズンは残り4試合あります。天皇杯も残っています。チームと選手はそれらの試合に自分達の本来の力を出して貰いたいと思います。
さて、サガン鳥栖と今まだ昇格を現実的なものとして戦っている上位4チームとの差は何処にあるのでしょうか?サガン鳥栖には昇格するには何が足りなかったのでしょうか?お金というのは真実かも知れませんが、しかしお金があっても使い道を間違えたチームはたくさん居ます。お金が少ないことはあえて目をつぶり、「サガン鳥栖が昇格を現実的な目標として目指しているチーム」という前提で、何が足りないのか、足りない頭で考えてみました。
何回かに分けて書いてみたいと思います。
1:設備面の問題
鳥栖には優先的に使用できる専用の練習場がありません。(ここで言う優先使用とは使用したいときにいつでも使えるという意味です)
それでも近年は鳥栖市が協力的であったので北部グラウンドを作ってくれ、また市陸の芝も整備された為、鳥栖市内でも練習が出来る状況ではありました。しかし、練習スケジュールを年間を通して見ていた方なら知っていると思いますが、鳥栖は練習スケジュールの変更は日常茶飯事でした。同じ場所で時間の変更等ならばわかりますが、前日に発表されたら場所も時間も違うと言うことは度々ありました。オンスケジュールであっても数日に一回は場所を変えて転々とグラウンドを移って練習しています。果たしてこの状態は昇格を目指すチームとして正しいのでしょうか?私は選手が集中して練習に望む為に毎日同じピッチ、同じ環境で練習する事が必要ではないかと思います。
北部グラウンドは決してサガン鳥栖が優先使用出来るわけではありません。練習内容や試合内容、選手の疲れ具合などから急に練習時間の変更や追加を行ないたいと思っても鳥栖では環境面で簡単にいかないと言うことです。
更には選手・スタッフ獲得時への影響も無いとも言い切れません。お金も無い、練習設備も無い、あるのはスタジアムと情熱だけでは短期間ではなんとかなっても、自分を伸ばしたい、選手として大成したいと思っている選手にとってはマイナス材料です。もちろん優れた監督・コーチ陣で来る選手も居ますが、監督やコーチは"変動資産"であり、チームに永遠にあるものではありません。優れたコーチ陣はつれてくることは出来ますが、練習場はどっかから持ってくる事は出来ません。
そして、決して負けた事をグラウンドのせいにする事はしたくないですが、佐賀陸のピッチ状態の問題があります。
今年佐賀陸で対戦した仙台も甲府も鳥栖にとっては目一杯戦えば互角には戦える相手でした。しかしピッチ状態が選手が目一杯戦うことの出来る状態ではなかった。芝が枯れているだけならまだいいんですが、ピッチの地盤がでこぼこで、なんでもないところでイレギュラーしたり脚を取られたりする状態でした。佐賀県は果たして鳥栖がJ1に上がるためのバックアップが出来ていたのでしょうか?
チームは開幕前から昇格を公言していました。そして上位となりそうなチームと佐賀陸で対戦する事は1C終わった頃には見えていました。あの佐賀陸の状態は決して一朝一夕で出来た物ではありません。去年もそうでしたし、私の知る限り(十数年前から)はずっと佐賀陸はでこぼこでした。
今年は昇格を目指し、来年は同じように10月、佐賀陸にJ1のチームが来る予定でした。10月の3試合を見た状況から考えると佐賀県がサガン鳥栖と言うJ1チームを抱える準備が出来ているかどうか、非常に疑問です。どうしても佐賀陸が改善しないなら、別の会場、他県の会場も視野に入れる必要があるかと思います。(更に言えば、このピッチ状態がわかっていたはずのHOMEチームならば他のやり方をするべきだったとも思います。これは別の機会に書きます)
お金が無いから設備はそう関単にそろえられないと言う人も居るかもしれません。
鳥栖サポならば一度本棚をひっくり返して「夢がある」を読んでみて下さい。練習場や設備に対する行政の意識は根本では昔も今も変わっていないと判断するしかありません。
プロサッカーは試合会場と選手があれば出来るわけではありません。しかしあの当時、県は誘致に際して練習場よりも試合会場を優先して手配し、チームも選手を優先して手配しました。実際に鳥栖に移ってくるときに、練習場の確保は課題になっていました。
鳥栖フューチャーズ時代、最後まで自前の練習場の確保は手付かずでした。このためサガン鳥栖になった時に最初に練習場で躓きました。鳥栖フューチャーズが使用していた練習場は使えなくなったからです。
ベアスタ(鳥栖スタ)にいったことがある人は思い出してみてください。HOMEゴール裏入り口に上る坂道の横にちょっとした芝生の広場があります。芝生と言ってもごく普通の公園にある芝生と同じで一部ははげ、平らでもないピッチです。サガン鳥栖は一時期ここで練習していました。もちろん毎日ではないですが毎週ここでの練習が組まれていた時期がありました。
その時期から比べれば今の状況は雲泥の差かもしれません。
しかしそこは今も「サガン鳥栖の練習場」ではなく「サガン鳥栖が練習で使う事がある場所」でしかないのです。佐賀陸の問題と練習場の状況を考えると、今も行政側(県も市も)は「プロサッカーチームはとりあえずな芝のピッチがある会場とチームがあれば運営できる」と考えているのではないかと思ってしまいます。
ちょっと話はそれますが、サガン鳥栖は行政に協力してもらえなければ直にでもなくなってしまいます。力関係で言えば行政>サガン鳥栖であるわけです。しかし本当にお互いがお互いの事を考えていれば、この力関係は行政=サガン鳥栖で無ければおかしいです。
例えば、行政はサガン鳥栖に協力する事で1の利益を10年得られると仮定します。また協力する事でサガン鳥栖は発展し10年後からはその利益が倍になる可能性があるとします。しかし、サガン鳥栖に協力しなければ、直近の5年はお金を使わない事や今現在の鳥栖の利益を搾取する事でサガン鳥栖から3の利益が得られますが、5年後にはサガン鳥栖はなくなってしまうとします。
この場合、行政側が取るべき解は5年で得る15の利益でしょうか、10年で取る10の利益とそれに続く未来の利益でしょうか?
後先の事を考え無い、利益のみを追求する私企業であれば、答えは簡単でサガン鳥栖に協力せず、5年で15の利益を取るべきです。しかし行政期間、公共機関はそういった過剰な利益の追求を求めるのではなく得る物は少なくても公共性のある事業を長く続けて行く必要があるはずです。
このたとえ話のような行政の充分な協力を受けれるようにするのは運営会社の能力ですが、根本的なボタンの掛け違いは考え方を変えないと永遠に解決されません。あくまでもたとえ話ではありますが、行政とサガン鳥栖は決してwin-Loseの関係であってはならないはずです。win-loseの関係はそのうちlose-loseの関係になってしまいます。お互いにwin-winの関係を築く為には、サガン鳥栖側も「施設を使わせてもらっている・地域の発展に貢献させていただいている」という意識が必要ですが、同時に行政側も「施設を利用してもらっている・地域の発展に貢献してもらっている」という意識改革が必要なのではないでしょうか?
運営会社側も意識と言う面で問題があったかと思います。推測でしかありませんが、旧運営会社末期と現在では選手寮以外目に見えた進展が見られない現運営会社も、松本GMや岸野監督の好意に甘え設備面の充実は時間がかかるから後回しになっていたのでは?と思ってしまいます。
サガン鳥栖を永遠に続くチームにし、本気で昇格しJ1で戦うと思っているのであれば、お金があろうが無かろうが工夫して行政と協力し合って優先的に年間を通して使用できる練習場を確保し、何時もと同じサッカーが出来る10月の試合会場を確保する必要があります。
最後に設備面の向上に成功しているチームの例を挙げてみます。
近年成績には中々現れてきませんでしたが徐々にサッカーの質が向上し、今期は一時昇格争いに絡む所まで躍進を見せた水戸では2006年7月からホーリーピッチという専用の練習場を確保しました。この施設は土地は市からのレンタルだそうですが、水戸ホーリーホックが運営・管理すし、優先使用できる練習場です。予算規模的には鳥栖よりも小さいチームではありますが、天然芝3面の練習場を確保した水戸には大卒の優秀な選手が集まるようになり、また有力だけどJ1では出場機会の無かった選手のレンタル先にもなってきています。また今年は遂に水戸市内でJリーグの開催基準に沿ったスタジアムの改修が行なわれました。水戸はこれから非常に"怖い"存在になると思います。
次に、今年J1でほぼ残留を決めた山形はNDスタジアムがあるべにばなスポーツパーク内でほぼ全ての練習を完結させています。行ったことがある人は知っているかと思いますが、芝生のピッチが増設され、最大限の配慮がモンテディオのためになされています。
最後に、先日戦った甲府は鳥栖以上に練習場を転々としておりますが、試合会場は見違えるようにきれいになりました。小瀬のピッチがどんなに酷かった事か。。。(練習場に関してもオフィシャルを見る限りは点々としていても既に11月まで何処で行うか公表されています。ギリギリで公表される鳥栖との間に差を感じるのは私だけでしょうか?)
水戸と山形と甲府の例を出したのは鳥栖を含めて昔のJ2下位常連のチームだからです。そして3チーム共に予算規模は少なく所謂親会社を持たない弱小チームでした。そして部外者にわからない今も抱える問題点があると思いますが、設備面で格段の進歩を果たしています。
鳥栖は、優先的に使用できる練習場はまだ無く、10月の試合会場の状態は最悪で、ある年はメインスタジアムさえも芝の管理業者を替えて芝の管理に失敗しました。昔は同じような状況にあったチームの中で最も設備面で遅れているのは一体どのチームでしょうか?成長しない設備環境は果たして昇格を目指すと公言しているチームとして相応しい状況なのでしょうか?
(誤字脱字はそのうちに修正予定:次回に続く)