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サガン鳥栖原理主義者から愛好家へ転身した30男のblog
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 何故サガン鳥栖のサッカーは得点の香りがしないのかを書いて1ヶ月6試合を経過しました。
 この6試合とUpした日に追加した熊本の試合を加えた7試合の結果は以下の通りです。

5/30(土) 対 熊本(A) 2−1
6/ 3(水) 対 徳島(H) 0−2
6/ 7(日) 対 札幌(A) 2−1
6/14(日) 対 栃木(A) 5−0
6/21(日) 対 C大(H) 2−0
6/24(水) 対 富山(H) 0−0
6/27(土) 対 愛媛(A) 3−2


 これらの試合を「試合を通じてボール保持者を追い越す動きが出来ていたかどうか」という1点だけに絞って分類すると以下のようになると考えます。

A)試合を通じてボール保持者を追い越す動きが出来ていた
  6/ 3(水) 対 徳島(H) 0−2
  6/14(日) 対 栃木(A) 5−0
  6/21(日) 対 C大(H) 2−0

B)出来ている部分も有ったが出来ない時間帯もあった
  5/30(土) 対 熊本(A) 2−1
  6/27(土) 対 愛媛(A) 3−2

C)全く出来なかった
  6/ 7(日) 対 札幌(A) 2−1
  6/24(水) 対 富山(H) 0−0

 異論はあると思いますが、まずはA)の試合から。
 徳島戦は特殊な状況を加味しないといけません。前半36分に渡邉が退場し、残り時間を10人で戦いました。鳥栖はこの試合異常とも思えるほどの攻撃への執念を見せます。結果こそ0-2での敗戦でしたが、退場までもチームとして機能していましたし、退場後も最後まで攻め続けていました。一人少ない状況でも走る事によって攻撃を続けました。試合後のコメントが酷かったので「スローガンの耐えられない軽さ」で厳しい意見を書きましたが、試合の方向性としては間違っていない試合だったと思います。ただし、他の2試合とは状況が違う為、ちょっと切り離して考えた方が良いと思います。

 栃木戦は相手の状況もありますが、ほぼ試合を支配しました。これは相手のミスもありますが、単純に鳥栖が栃木を全てで上回った試合とみてよいかと思います。
 最も運動量が多かったのがセレッソ戦。この試合では相手に押し込まれる場面もありましたが守備の約束事(縦に行かせない事とサイドに出させたときのケアを必ずする)が明確で、一転攻勢に出たときはボール保持者を追い越す選手が多く、運動量でセレッソを圧倒しました。

 次にCの全く出来なかった試合。
 札幌戦は逆転勝ち。しかし逆転で勝点3を得た事以外に収穫が無い試合でした
試合の殆どの時間帯は札幌に支配されました。支配されながらも相手のミスに助けられた事と、高地の飛び出しで追いつけた事が勝利に結びつきましたが、攻撃は停滞気味でした。
 富山戦は選手個々の能力以外では富山が上でした。攻撃の積極性も、守備の出足も、チームとしての完成度も富山が上でした。引き分けで終われたのは相手選手の実力不足と運としか良いようがありません。余談ですが、富山は選手個々の能力を活かしてチームとして纏める楚輪さんのチームらしいサッカーを見せてくれました。

 最後にB)の試合。
 まずは熊本戦ですが、ハーフナーが加入しましたがまだ何をやりたいのかがいまいちわからない試合でした。これも徳島戦と同様にちょっと他の試合とは毛色の違う試合だったと思います。
 一方、愛媛戦は非常にわかりやすい試合でした。運動量があるときは圧倒し、運動量で勝負できなくなると相手が攻勢に出て押し込まれる。正に岸野さんのサガン鳥栖的な試合でした。

ちょっと長くなってしまうので後編に続きます。

(後編)
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アマチュアの論理

?理想論を規範論にする
?当事者の能力や努力を知らず,無能・無責任・怠惰と批判する。
?プロは,ミスをせず,また,変化や危険を予知できる存在と決めつけ,
 それに反する事故が発生すればプロ失格と批判し,時には,犯罪者にする。
?難しいこと,危険なことを簡単に考え,「やれ」と言う=「素人の暴論」
?成功や失敗の理由を,1〜2の要素に求め,短絡的に理解し,論じる。
 特に「アイデア」,「意識」,「体質」,「制度」,「組織構造」などに求める。
?現在の制度のデメリットのみをあげつらう。
?新たな制度のメリットのみをアピールして提唱する。
?新たな制度のデメリット,副作用を考えない(知らない?)。
?新たな制度が諸問題を一気に解決すると考え,改革や革命を連呼する。
?できない理由を,改革する想像力や意欲の不足に求める。
?トレードオフがある課題を,同時にやれという(たとえば,迅速と的確)。

ランチェスター思考 競争戦略の基礎 (福田秀人著 東洋経済新報社刊)より


幾つか現状のサガン鳥栖批判を書きましたが、素人の考えなので上記に当てはまる事も。。。充分に自戒しつつ、今後の言動に活かして生きたいと思います。

で、自戒しつつも「昇格を目指す」のならサガン鳥栖は足りない事がたくさんあります。
そのサガン鳥栖が抱える問題の中で、一番見えやすいチームのサッカーの質にも問題が有ると感じています。昇格を目指すチームとしてサガン鳥栖のサッカーに問題ないという人が居るんであればその人の話を聞いてみたいものです。
個人的にはこれから1ヶ月が勝負と考えます。この3試合で予想以上にハーフナーは"良いもの持ってる"と言うのが実感です。ハーフナーは突き抜けたものがあるので、藤田役ではないFW、サガン鳥栖のハーフナーとして活躍できる素地がありそうです。チームがどれだけこの選手を活かせるかで昇格争いに参戦できるかどうかが見えてきそうです。


で、話は全く変わって鳥栖サポーターの話。
徳島戦のあと、まあ一人少ない状況で最後まで攻め続けたと言う点で、個人的には納得していたんですが、(最終的には監督コメントがあまりにも酷いので文句を書きましたが)あの試合のあと、サポーターは少なくとも中継中のかなり遅くまでコールし続けてました。
必死に戦ったけど結果が出なかった選手としてはかなり有り難かったのではないでしょうか?
自分がゴール裏に(と言ってもAWAYですが)いた頃の記憶に照らし合わせれば、徳島戦のような試合は非常にストレスが溜まると思います。で、ストレスの溜まる試合での試合後のゴール裏は野次だらけ。それを聞くと今度は聞いた人のストレスが増幅されてしまいます。
しかし徳島戦のゴール裏は選手が居る間はずっとコールを続けてて、正直すごいなーと感心しておりました。
たぶん自分がゴール裏に居たらストレス溜まってて選手の見送りなんて出来ないっす。たぶん速攻タバコ吸いに行ってます。ああいった試合で野次とか聞くのが嫌なんです。選手も頑張ったけど結果が出ないって時に。
選手が最後まで戦ってなければ別に野次あっても良いですが、選手たちは必死に戦っていた、、、でも勝てなかった。。。そういう試合後、普段は鳥栖サポーターはまとまりが無いだとか、負けるとすぐにサポーター批判だとか言われますが、少なくとも徳島戦後のサポーターのコールは外から見ている者にとっては、自分が応援するチームのサポーターは最高だと思わせる、本当にすばらしい光景だったと個人的には思ってます。

そうやって応援を続ける人をまたまた裏切るような試合になりかけた札幌戦は逆転勝利。
試合内容については何も言わないで1ヶ月ぐらい見守ろうかと思ってますので何も無いですが、日曜の夕方開催で東京方面なら何とかなったかも知れませんが、九州へはおそらくその日は帰る手立てが少ない状況の中、ずっと声援を送るためにそこに立ったサポーターの皆様に感謝です。
なんかね、ちょっと盟友の顔が映ったら本当に嬉しそうでこっちも嬉しかったです。あのお方には一生足を向けて寝られないです。いや寝相悪いんで一時的には向けてるかも知れないですが。。。
私はサポーターであった頃も「サポーターが勝たせる」という言葉が本当に嫌でした。特にそれを自称する事に対して嫌悪感を感じていました(いまも嫌ですが)でも徳島〜札幌の流れの中では最後まで応援するサポーターの力は大きかったと思っています。結果論に過ぎないですがサポーターが試合に勝つ流れを作った試合なのだと感じました。これからもサポーターの皆様でサガン鳥栖の選手達に戦う力を与え続けてください。

まだ昇格圏と「たった」18point差です。あと30試合超あるのです。充分に昇格のチャンスはあります。
【J2:第19節 鳥栖 vs 徳島】岸野靖之監督(鳥栖)記者会見コメント(09.06.03)

【J2:第19節 鳥栖 vs 徳島】試合終了後の各選手コメント(09.06.03)


何かの悪い冗談ですか?

・少なくとも退場までは機能していた
・退場は仕方ない(選手層的な意味で選手を責めるのは酷)
・判定はちょっと厳しいけど妥当
・選手は最後まで得点を目指し攻め続けた

という事からまあ1試合トータルでまともな試合見ないと鳥栖が進歩しているかどうかなんてわからんと思うので批判的なことはよそうと思ったのですが、監督コメント・選手コメントは本当にこんなコメントしてるようならあまりにもひどすぎます。

じゃあ、今までの試合はちゃんと準備してこなかったのですか?
だから負けてもよかったのですか?
昇格目指してるって言ってるんですよね?
だったら毎試合勝つための準備を万全にするべきですよね?

別に昇格目指すとか言わなかったら厳しいことは言いません。
イベントごとにあわせてそこに必勝体制で臨むでかまいません。
昇格目指すと言ってるのは監督でありフロントのはずです。
なのにそんな気配まったく無いから厳しい目になってしまうのです。

だいぶ前に「昇格を本気で目指します!」は今のサガン鳥栖において正しいか?というのを書きました。このころからずっと私は一つの疑問がありました。鳥栖の関係者は簡単に「昇格」を口にします。しかし昇格するためには十二分な準備が必要なのです。そんな事今までの経験でサガン鳥栖に関わる全員が学んでいるはずです。他チームを見ても昇格のために必死に準備して戦って何度も失敗してやっと昇格を果たしています。それを知った上でのスローガンが「夢昇格」ですよね?
いやな予感はたくさんありました。明らかな欠点であるセンターバックの補強0(新卒はいましたが)。まだまだ使える選手とはいえ戦力外中心の補強。外国人FW決定の大幅な遅れ。なのでまあ無理だろうとは思ってますよ。

ですがチームスローガンは夢昇格。

馬鹿かと、充分な体制が出来てないで何が昇格だと、そう言いたいのです。
昇格の二文字を口にする資格がサガン鳥栖にはあるのですか?と。

ただそういう意見は絶対少数ですのでまあ黙って見ていたわけですが、ここ最近の試合が余りにも酷過ぎるので前回のような話を書いたわけです。

監督は何か他の要因にする前に、自分のやり方が間違っていないかもう一度考えてみては如何でしょうか?昨日の試合は不運だったと思いますが、しかしだからといってろくな手も打てずに負けた敗軍の将がその原因を外に向けるのは間違っています。

最後に選手達へ。
頑張ってもやり方が間違ってたら結果は出ないし、チームが昇格を目指している以上、頑張っても結果を出さなければ意味がありません。今日の試合も選手達は必死にやっていました。最後までゴールを諦めないで戦いました。必死に戦ってくれていました。これ以上何を頑張るのですか?頑張る以外に、何か有るのでは?
何故あの退場に至るプレーが起きたか、それを真摯に反省し次に活かすという思考は無いのでしょうか?相手選手にはっきり言われてますよ、DF-GK間でミスが多いって。今年の開幕から抱えている課題ですよね?相手を研究しているのは鳥栖だけじゃないんですよ。

長文の続編。
5/29に書いた後、アップする暇無かったので、熊本戦後の感想を書き足します。

元記事はこちら

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マイク加入後の熊本戦を当日は見れなかったのでやっと今朝見ました。
マイクが来た事で前線でのターゲットは出来たのかも知れませんが、"チームとして"攻撃時にボール保持者に対し追い越す動きやスペースを作る動きが出来ているとは思えません。得点シーンは選手がボール保持者を追い越す形で飛び出した事が結果として得点に結びついており、やはりボールを持った選手を追い越す動きが有効と感じました。しかしあくまでも選手のひらめきでやっている以上、チームとして決まった型にはなっていないのが現状のようです。

特に、攻撃時にボール保持者が前を向いた特、ボール保持者より前の選手が同じように前に行く、急ぎすぎる展開が多すぎたように感じます。一人は下がってボールを受ける動きをする、そこで生まれたスペースに選手が飛び出すと言った動きが型として出来れば攻撃に厚みが生まれるんですけどね。
またハーフライン付近からのサイドチェンジは全然無いですね。中央から散らすか前に出すという動きしかない。
攻撃の組み立てで型が無いので選手の意識がかみ合えばうまく行きますが、かみ合わないときはとことんかみ合わない(=凡ミスが増える)傾向にあり、そういう状況を打破し昇格を目指して勝ち続ける為に攻撃に幾つかの型が必要になるのではないでしょうか?

結局誰が来ても藤田サッカーから脱却せず、マイクに藤田役をやらせるだけでは意味がありません。ボールが落ち着かないときはただマイクめがけてボール蹴るだけ。選手は攻撃はフィーリングでやってるだけ。プレスの練習をやってる割には、すぐに中央の中途半端な位置に固まってしまう守備。昨年のサッカーとの違いは何かありますか?「島田が居てプレースキックに期待が持てるようになっただけの藤田が居ない藤田サッカー」になっただけです。(熊本戦からは藤田以上の長身選手が居る藤田の居ない藤田サッカーですね)
せっかく一癖も二癖もある個性のある選手を何人も獲得したのにそれらの選手は藤田サッカーになってしまうと埋没してしまうだけです。

まあ、もう昇格諦めてるんだったら別に今のままでただ頑張って守備をしてフィーリングで点を取る攻撃でもいいですが、何度も書きますが昇格を目指すには勝ち続ける必要がありますし、まだ2/3残っています。
このチームが本当に昇格を目指すのならば、ただ選手連れてくるのではなく、もっと別の何かを考えるべきでしょう。
友人の"もうサガン鳥栖興味ないと思ってました"と言われたので久々にサガン鳥栖ネタ。
しかも先週末は新戦力の活躍で勝ったのにネガティブな超長文ですww

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サガン鳥栖は他のJ2チームより客観的に見て戦力が充実し、中位以上、上位未満程度とは言える状況になってきました。しかし、サッカーの質の面に根本的な問題を抱えており、今年は島田と言う良質のキッカーを得た事で逆にその問題が顕著に見受けられる状況になっていると考えています。

まずは昨年の鳥栖サッカーをごく簡単におさらいします。

簡単に言うと、昨季の鳥栖は藤田のチームでした。
藤田が前線からプレッシャーをかけつづける事でディフェンスからのビルドアップ精度を落とさせて、前線でボールを奪うのが根本にあり、藤田はそれを90分間こなしながらもしっかりとFWの役割である得点にも絡み、ポストも無難にこなし、この事によって藤田に注目が行く事で他の選手も攻撃に絡みやすくなる、と言うのがサガン鳥栖サッカーの全てでした。
藤田に頼るということは藤田の出来に影響を受けるという事でもあり、他に選手は居ても活かせない(特にシンヨンさんはかわいそうだった)サッカーであり、保有戦力を活かしきれていればもう少し上の順位もいけたのでは?という疑問もありました。

その鳥栖から藤田が抜けました。
話はそれますが藤田については2006年当初から見てきて最初は通用しませんでしたがシーズン後半には充分に戦えるようになりました。特に「こいつはイイ!」と思ったのはシーズン終盤の佐賀陸での柏戦。ポストとして十二分に役割をこなし得点にも絡めるようになり一緒に見ていた友人たちと"藤田良くなってきたね〜”なんて話していました。2007年、2008年はサガン鳥栖の大黒柱として十二分な働きを見せてくれました。そういえば移籍の際にお礼を言ってなかったので「藤田本当にありがとう」とこの場で書いておきます。


で、藤田不在の2009年版サガン鳥栖。

藤田は抜けましたが経験豊富な山卓、柳沢、磯崎に加え待望のフリーキッカーである島田を獲得し、FWにはブラジル全国リーグ等での実績こそありませんがネットの動画を見る限りはやわらかい足元でのポストプレーと一瞬の切れでマークをはずしてのヘディングが出来る期待が持てるトジンを獲得。
他にも新卒で有望株と見られる数選手を獲得し正に昇格を狙う陣営が整ってきた感がありました。
他チームも強力・的確な補強をしており特に実績ある監督が多い事から昇格争いは厳しいですがそれなりに上位争いには絡めるだろう、という甘い見込み(=希望的観測)をもって開幕を楽しみにしておりました。


しかしふたを開けると今シーズンもサガン鳥栖のサッカーは"藤田不在の"藤田サッカーでした。
とりあえず他の選手は置いておいて所謂"藤田"役に絞って言うと、池田は必死にやっていますが06年最初の藤田に毛が生えたレベル。トジンはトジンが持つ能力が藤田のそれとは方向性が違うのか全く活かせていない。池田には池田のよさ、トジンにはトジンのよさがあるはずで(トジンは合流が遅れたエクスキューズがありますが)「まず鳥栖のサッカーを覚えてもらう」というのは良いですが、昨年までの鳥栖サッカーは誰が見ても藤田あってのサッカーだったので、鳥栖のサッカーの根本は藤田が居なければ変えなければならなかったのです。
しかし、昨年の"成功体験"と言うのは3年生監督には大きかったのか、監督はキャンプ中も藤田サッカーを追い求めていたようです。このため、サガン鳥栖は開幕から中々波に乗れ無い状況が続きます。

そしてあれよあれよという間に1stクール終盤の14節福岡戦からの4試合、本当にこの4試合は酷かったです。題名にも書いていますが全く得点の香りが無いのです。開幕当初より状態は悪化しているのです。"チームとして"得点する気があるかどうかわからないっていう試合を、特に中心選手が離脱した訳でもなく、既に10試合以上消化しているにも関わらず4試合、半月以上4試合に渡って続けるという事は、何か根本的な問題がサガン鳥栖に有るのではないでしょうか?

サガン鳥栖のサッカーの最も悪い所は島田がボールを持ったときに現れます。
島田が悪いわけではありません。島田は一生懸命やってくれています。しかし島田がボールを持つと鳥栖の攻撃は止まります。正確には鳥栖の選手の動きが止まります。
まず島田より前に居る選手。動き出しがある場合はまだいいです。みんな前に突っ込んでますが。。。酷いときはみんな島田が何処に出すかを見ています。
たしかに島田は正確にボールを蹴れますが、前の選手に効果的な動きをしてスペースを造るような動きやボールを引き出す動きは殆ど見られません。他の選手からは島田がボールを持った事での一種の安心感が感じられます。彼は正確なボールを蹴ってくれるから何とかしてくれるはず。。。そんな空気を感じます。私だけかも知れませんが。島田は万能ではありませんので、ボールを持ったときに効果的な動きをしてくれないと出しどころがありません。
 では島田より後ろに居る選手は?これも最近の試合で顕著ですがボール保持者が島田かどうかに関わらず、ボールを持った選手を追い越す動きは試合を重ねるごとにどんどん減っていきます。特に島田がボールを持ったときは顕著です。島田なら何とかしてくれる。。。ここにもそんな空気が感じられます。これは同サイドDFの磯崎に対する非難がネットで散見される事から皆感じているのかも知れません。
 しかし磯崎一人ではなく、FWも周りの選手もみんな島田が持つと動かないのです。もし動いたとしても、それは単調な前への動きだけです。
皆島田なら何とかしてくれる、という空気があります。これではどんなに高い精度のキックを持っていても蹴る所が無く、どうしても放り込みが多くなってしまいます。

 確かにチームとしてはクロス数はリーグトップクラスかもしれません。しかしそれらが効果的なクロスボールかどうかは疑問符がつきます。そしてスペースを作る動きであったりボールを引き出すような動きであったりが少ないため、相手が準備できている状態でのクロスになり、得点になるようなチャンスは殆ど生まれません。このような状況ではチームに勝利の展望は見えないのではないでしょうか。

あるDFは開幕直後の試合後にこういいました。「もっと前から守備をして欲しい」そして勝利した試合でその選手は「今日は前から守備してくれたので良かった」と言う事を言っていました。これは確かにそうで、守備だけを考えた場合、前線のプレスでかなり助かるでしょう。しかし前線に居る選手は相手ゴールに近くに居る以上、主目的は攻撃を担う事になるはずです。
藤田の場合、守備も攻撃も出来ました。しかし藤田が居ないという事を考え、別のやり方をすべきなのに選手は藤田が居たときのサッカーが"良かった"と感じているわけです。
これは監督の方針が浸透しているという面では良い事なのかも知れませんが、浸透しすぎて本来の目的を見失っているのではないでしょうか。

サッカーと言うゲームの最大の目的は何でしょうか。

答は簡単、ゴールを相手より多く決めて勝つ事です。

しかもサガン鳥栖はリーグ戦を行い、昇格を目指しているとチームが(会社・サポーターも)公言しているのですから、一試合を勝つのではなく、1年を通して勝ち続けなければなりません。
では勝ち続けるには何が必要でしょうか?
負けないサッカーで健闘を続ける、と言うのであれば全員プレスで0点に抑えるというのを主題に置いて良いかもしれません。実際にその事によってサガン鳥栖のサッカーに一つの型が出来ました。それが昨年までの藤田を中心とした前線からプレスですばやくボールを奪い、前で攻めるという型です。それは有る程度までは通用し勝ち点を積み上げました。しかし上位には通用せず、藤田の調子が悪いor居ないときにどうするかと言う問題もありました。その藤田が完全に居なくなったにもかかわらず、そして勝ち続けるためには他の事も必要と言う事が昨年までの経験で判ったにもかかわらず、結局選手たちがピッチでやっているのは藤田不在の昨年の鳥栖サッカーです。
ボールを奪うという面では今の所属選手でもそれなりに出来ますすが藤田が居ない以上攻撃は期待できません。あれだけ守備をしその上で得点を積み重ねると言うハードワークが出来るFWは日本国内でもごく僅かだからです。

 監督は監督コメントで「スイッチが何処にあるかわからない」と言いますが、スイッチを作れていないだけではないでしょうか?
 ボールを奪うコンセプトしか無いチームに「ボールを運ぶ」「ゴールを決める」というスイッチを作るのは監督・コーチ陣の役目であって、決してスイッチが何処にあるかわからない等と嘆く事が監督の役目ではないのです。監督・コーチ陣は「ボールを奪い」「ボールを運び」「ゴール奪う」という3つの型を作れないまでも示す必要があります。特に昇格を目指すのであればしっかりとした方法を示すべきです。そして少なくともその方法について裏づけを作る(練習を行う) 必要があります。それがリーグ戦を勝ち続けるには必要です。

 4月の中旬に、ある鳥栖在住のサポーターが興味深い話を聞かせてくれました。
私がまだ攻撃の形出来ないね、と嘆くと彼は”だってプレスの練習しかしとらんもん”と練習を見ている人にしかわからない話を聞かせてくれました。
あれから1月半経ちましたが、誰が見ても判るくらい鳥栖には未だに攻撃の形がありません。実際に富山戦の東京PVに連れて行った同僚(鳥栖の試合を見るのは初)は「選手の質では明らかに上なのにチームとして機能していない。
ボールを持っていないときの動きが無い。得点の香りがしない」と非常に的確な分析をされていました。開幕からずっとサガン鳥栖のサッカーはそういう状態ですが、現在サガン鳥栖はどんな練習をしているのでしょうか?
草津戦のように大量得点もあったじゃないか、という反論があるかもしれませんが、重要なのは継続性で、勝ち続けるには(=昇格するには)今出来ている守備だけでなくボールを運ぶ事とゴールを決める事に関して、出来る出来ないは別にしろぼんやりとした型でもいいから必要だと言う事です。選手のフィーリングだけでうまく行った(と断言するのは危険ですが)草津戦のあと、既に4試合経ちましたが果たして鳥栖はそのあと明確な目的を持った攻撃は出来ていたでしょうか?そういう攻撃の形を作る必要があり、その為には攻撃の形の骨格を作る練習が必要だと言う事です。

私は毎日練習を見に行ったりする事は出来ないので、試合で判断するしかないのですが、チームに攻撃の形が無く連動性が見られない以上、サガン鳥栖は少なくとも攻撃に関してまともに共通理解が出来ていない、基本的な動き・約束事が確立できていないと言わざるをえません。
1クール17試合経ち、それでもそのような一般的な約束事の片鱗が見えないという事は、チームをまとめる監督・コーチ陣の指導に何らかの問題が有るとしか思えません。藤田の居ないチームで藤田の居るサガン鳥栖を目指しても駄目だという結論は1クールの惨状で出ています。
今週はハーフナーマイクという長身選手を獲得しましたが、彼は藤田ではありません。ハーフナーマイクなのです。もしかすると今居る選手よりも藤田役をうまくこなしてくれるかもしれません。しかし彼は藤田ではないのです。果たしてハーフナーマイクと言う長身選手をサガン鳥栖はどう活かすのか。山瀬弟もまだその才能を活かせていませんが、彼らを擁してサガン鳥栖は何をやりたいのか。
それが"藤田"サッカーであれば、この先も明るい展望は描けない。そう私は考えています。

昇格を目指すには1試合を勝つのではなく、勝ち続ける事、勝ち続ける為の型をしっかりと確立してもらいたいと思います。そして一刻も早く「得点の香りがするサッカー」を「継続して」見せて欲しいと思います。

リーグはまだ2/3もあるのですから、諦めるには早すぎます。

(続編へ続く)
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